「閉じこもり」と認知症の関係

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「閉じこもり」と認知症の関係
 
健康長寿の大敵に「閉じこもり」があります。
年をとると、誰でも出不精になりがちですが、家に閉じこもってばかりいると、一気に老化を促進してしまいます。
 
現在では、高齢者が家に閉じこもっているのはよくないということが、広く認識されるようになりましたが、介護保険がスタートした2000年ごろには、まだまだそうした認識は一般にはありませんでした。
当時は、「年寄りが家に閉じこもりがちになるのは、当たり前ではないか」というのが一般的な考え方だったのです。
 
当時は、閉じこもりという認識さえない状態でしたから、まず閉じこもりの定義からはじめることにしました。
閉じこもりとは、ふだんほとんど自宅内で過ごし、外に出る機会が極めて少ない状態です。
そこで、外出する頻度が「週1回以下」の状態を「閉じこもり」と定義して、継続的に高齢者の実態を調べてきたのです。
 
地域によって、閉じこもりの比率は違ってくるかもしれませんが、新潟県のある町で約1500人を対象にした調査では、65歳以上の在宅高齢者の約1割は閉じこもりだということがわかりました。
その比率は、80歳まではあまり増えないのですが、80歳を過ぎると急激に増加して、全体の約3割に達しています。
 
また、閉じこもりには、体に障害があって出たいのに出られない「タイプ1」と、外出を妨げるような障害はないのにめったに外出しない「タイプ2」があって、その割合はほぼ半々であることもわかりました。
 
では、閉じこもっていると、どういう不都合か起きるのでしょうか。
 
まず、「タイプ1」はその後死亡する人が多く、同じ程度の障害があっても家族が連れ出したり、あるいは介護保険で通所系サービスを受けるなどして外出する機会が保たれていた人と比較すると、2年後の死亡率は4倍も高くなっていました。
 
一方、「タイプ2」はどうでしょうか。
外出を妨げるような目立った障害はないのですから、心配ないのではと思われるかもしれません。
しかし、2年後に追跡調査すると、閉じこもっていなかった高齢者よりも、1キロメートルの平地歩行や階段の上り下りができない「歩行障害」や認知症が疑われる「認知機能障害」になる人が34倍も多いことがわかりました。
 
こうした調査を総合して、「タイプ2」の閉じこもりが、高齢者の健康状態にどのような影響を及ぼすかをまとめました。
閉じこもりでない人の発生の危険性を1とした時の危険性の倍率(ここでは2つのグループの性別、年齢、慢性疾患の保有状況などの違いによる影響を除く)は、認知機能障害、要支援状態(要介護よりは障害の程度が軽い状態)になる危険性はどちらも3倍前後、歩行障害は2.3倍、要介護状態になる危険性は1.6倍という、いずれも高い数値を示しました。
 
閉じこもりが、いかに健康寿命に悪影響を及ぼすか、おわかりになったと思います。
 
もちろん60代の若いシニアは元気ですから、この時期は閉じこもりの影響はそれほどではないかもしれません。
しかし年齢がさらに高くなるとそうはいきません。
使わない機能は衰えやすく、その影響は大きくなります。
自宅内のみの生活では、どうしても「廃用性萎縮」が進行してしまい、足腰が弱り、物忘れが進んでしまうのです。
 
※廃用性萎縮…「使わない器官は徐々に衰えて、機能が低下していく」という意味。
50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! より」
 
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近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
水溶性ビタミンであるビタミンB12は、最終的には排泄されますが、それまでの間、体内でさまざまな働きをします。
ビタミンB12場合、とくに1000マイクログラム以上の大量をとると、一種の押し込み効果(ある成分を大量にとることにより、吸収率が増す効果)により、吸収・利用率が高まります。
また、ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

 イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
また、人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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