脳を上手く使うために重要な「過程性」

イメージ 1
脳を上手く使うために重要な「過程性」
 
過程性は脳を上手く使うためにとても重要な概念で、単純化して言えば、「現在の状況に至るまでの過程を知らなければ、正常な思考力は働かない」ということです。
 
次のような場面を創造してみて下さい。
 
遠くから車が近づいてきている。
その車が思いがけない近さまで迫っていた。
相当なスピードを出しているようだ。
自分は横断歩道を渡ろうとしている。
目の前の信号がもうすぐ青に変わる。
しかし、再び車に目をやると、まだ減速していない。
信号を無視するつもりなのだろう。
あの車をやり過ごしてから横断歩道を渡ったほうが良さそうだ……。
こういう正しい予測と判断を冷静にできるのは、そこに至るまでの過程をずっと見ているからです。
 
目の前の横断歩道を渡ることばかりに集中し、状況の変化を見ていなければ、こちらの信号が青に変わったのに車が猛スピードで突っ込んでくる、という状況が理解できず、パニックに陥ってしまうでしょう。
その結果、歩道側に下って車を避けるのではなく、横断歩道を渡るという行動を続けようとしたりする。
自分でも理解できないような、まったく不適切な判断をすることがあるのです。
 
このように、過程を把握していることが大事だということは、仕事や勉強においても変わりません。
 
「仕事で混乱しやすい」という方に、よく次のようなアドバイスをしています。
 
「時々立ち止まって、一つ前の状況を確認する癖をつけましょう。結果ばかり求めて、仕事の流れを把握することを怠っていると、脳は混乱しやすくなるんです。流れをよく見て、その中で一つ一つ適切な判断を積み重ねていく。その結果が、大きな成果につながると考えて下さい」
 
同じことが、アイデアを出すときにも言えるわけです。
 
普段の仕事の中で、課程を把握しながら、「こういうときはこう、こういうときはこう」という学習を積み重ねていくと、その先にある「こうすれば、こうなるはずだ」という予測も立てやすくなります。
それが仕事の確実性を高めるだけでなく、適切なアイデアを生む土台にもなっていく。
 
そこからさらに、仮説を立て、その結果を分析するということを繰り返していくと、自分なりの過程の把握が着実に進んでいきます。
他の人には思いつけない、それでいてあてずっぽうではないアイデアが具体的に出来上がっていくのです。
 
現代人はスピードと結果を求められていますから、ついその過程を蔑ろにしたくなる場合があると思います。
 
しかし、それは脳の性質に反することだと考えて下さい。
「脳から自分を変える12の秘訣 「やる気」と「自信」を取り戻す より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
神経伝達物質の材料になる成分を補うことが大切です
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
詳細はこちらへ