「蛇」も「悪人」もいないのに不安を感じる

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「蛇」も「悪人」もいないのに不安を感じる
「不安」も脳が指令する防御反応
 
一度も蛇を見たことのない猿の赤ちゃんでも、蛇を見せると「不安」を感じ、怯えて逃げ出すといいます。
生まれたばかりの猿の赤ちゃんは、「蛇は噛みついてくる生き物だ」「蛇には毒がある」といった本質的な蛇の危険性を理解しているわけではありません。
しかし、反射的に蛇を恐れて逃げ出すのです。
 
このように、動物にとって「不安」「恐怖」といった感情は、生存を危うくする外敵の存在を認識させ、生命を維持することに直結した「脳機能」のひとつなのです。
「不安」も実は、「痛み」や「疲れ」と同じく、脳の防災システムのひとつです。
猿の赤ちゃんが蛇に不安を抱かなければ、ボケーッとしていて噛まれてしまうことでしょう。
 
この「不安感」こそ、私たち人間が安全に生きていくためにも重要な脳機能なのです。
人相が悪い人に不安を覚えるのも、悪人にかかわってひどい目にあわないための防御機能でしょう。
 
しかし、私たちの不安は本能的に備わったものだけで支配されてはいません。
私たちは道端に蛇がいるのを見れば、猿と同様に「恐怖」を感じます。
しかし、動物園のガラスケースの中の蛇を見た場合は、「この蛇は自分には危害は加えない」と判断できるため、そんなに「恐怖」は感じないのです。
 
さらにいえば、一見、悪そうな人だけれども、本当は自分に利益をもたらしてくれる「良い人」と判断できれば、「不安」は感じなくなるでしょう。
 
このように私たちの不安は脳の防災システムによって制御されているのです。
 
ところが、脳内エネルギーが不足すると、「不安」の防災システムにも誤作動が起こります。
不安を感じる必要がない状況でも、胸がドキドキして息苦しくなったりしてしまうのです。
「もの忘れとウツがなくなる「脳」健康法 より」
 
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木枯らしと孤独が骨身に染みる秋が深まるとなんとなく悲しい気持ちになるといわれていますが、はたして秋の物悲しさには医学的な根拠はあるのでしょうか?

 なんと季節の変化が引き起こすうつ病が存在するというのです。
エアコンの使用が一般的になり夏に体が冷えてしまうなど季節の変化に対応しにくくなった現代人。
季節性うつは自然な生活リズムを崩してしまった人がかかりやすい病気なのだそうです。

 「なかでも10月から3月頃にみられる冬季うつは、過食、過眠なども主な症状としてあげられます。秋になり日照時間が短くなることで、メラトニンというホルモンの分泌に異常が起こり体内時計が狂ったり、神経伝達物質セロトニンが減ることによる脳の活動低下が原因と考えられています」

 うつ病は、今やサラリーマンの3割近くに見られ、「心のかぜ」ともいわれるほどポピュラーな病気になりました。
原因としては、精神的なストレスのほか、コンピューターによるテクノストレスや、テレビやゲームなどによる眼精疲労などが元になることもあります。
 
また、脳内の神経伝達物質であるセロトニンノルアドレナリンが減少したり、視床下部や下垂体といった脳の機能の異常なども、原因として考えられています。
 
不足している栄養素がないよう食生活の乱れに注意したり、パソコンなどを使いすぎないように気をつけたりといった、生活全般を見直してみることが必要です。
 
うつ症状の予防や軽度の場合の改善に役立つのは、ハーブの一種であるセントジョーンズワートです。
有効成分のぺルリフォリンに、脳内の神経伝達物質セロトニンを増加させる働きがあるため、おちこんだ気分を回復して、気持ちを適度に高揚させてくれます。
 
そのほかには、神経伝達物質セロトニンの材料となるトリプトファンや、セロトニンなどの生成に必要なビタミンB6・B12葉酸などのビタミンB群を補給します。
 
トリプトファンアミノ酸の一種で、牛乳や肉(赤身がいい)などのたんぱく質に含まれています。
ビタミンB6は、かつお、まぐろ、さけなどの魚類、牛肉、鶏ささ身、レバーなどに多く含まれています。
ビタミンB12はレバーや魚介類に、葉酸はレバーのほか、菜の花、モロヘイヤ、春菊など緑の濃い野菜に多いです。
また、イチョウ葉に含まれるギンコライドやケルセチンなどのポリフェノールは、脳の血液循環をよくして、脳を活性化します(お茶などでとるのがおすすめです)
 
 加えて、散歩など屋外で体を動かす機会を増やすと、気分のおちこみを軽減しやすくなります。
 
 ただし、軽度のおちこみだけでなく、うつの症状がみられるときは、まず病院で検査を受け、治療と並行して、これらの食事療法を行ってください。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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