「A欠乏脳」-9.コーヒーや緑茶を飲み、カレーを食べる

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「A欠乏脳」-9.コーヒーや緑茶を飲み、カレーを食べる
 
 それにしても、食品の健康情報は波乱万丈ですね。
一昔前までは、「コーヒーを飲むと胃腸に悪いので、飲みすぎてはいけない」というのが「常識」でした。
ところが最近では、「コーヒーは胃腸によく、がんの予防になるので、多く飲むべきだ」などという情報も舞い込んできています。
 
また最近、コーヒーは胃腸だけでなく、脳の健康にも良いという情報もあります。
「中年期にコーヒーをよく飲む習慣のある人は認知症になりにくい」という研究結果が、2009年に医学雑誌に発表されたのです。
 
この研究によると、中年期以降、135杯のコーヒーを飲んでいた人は(なかなかの量ですね)、熟年期に認知症になる危険性が65%も減少したことを認めました。
 
この研究では、コーヒーの対照として、紅茶の効果も調べられました。
その結果、「紅茶はボケ予防の効果なし」という結論が出たのです。
 
誰しも自分の国の文化は誇りたいものです。
前述の研究では精彩を欠いた紅茶ですが、その紅茶の本場・イギリスの調査では、紅茶をよく飲むほどボケ予防効果が高まる、という結果が報告されています。
 
わが国でもお国自慢の研究結果があります。
東北大学から、「緑茶を飲むとボケない」という研究結果が報告されています。
宮城県仙台市の郊外に住む70歳以上の1003人を対象として、嗜好飲料と認知症発症の因果関係を研究したのです。
 
研究の対象となった人たちは、認知機能のテストを受け、また緑茶など飲料をどの程度の頻度で飲んでいるかのアンケートに答えました。
その結果、12杯以上緑茶を飲む人たちは、1週間に3杯以下しか飲まない人たちに比べて、認知機能低下のリスクが0.46と半減するというものでした。
 
この研究においては、コーヒー、紅茶、ウーロン茶では、緑茶のような「ボケ予防効果」は認められなかったと結論付けています。
 
コーヒー・紅茶・緑茶は、どれもが同じように種々のポリフェノールが含まれているのに、お国によって研究結果が違ってくるというのは、いったい何を意味しているのでしょうか?
しかも、いずれもその国特有の嗜好品に軍配が上がるなんて……。
 
この研究結果は、飲み物の純粋な成分以外の因子が「ボケ予防」に関係しているのではないでしょうか。
嗜好品を飲みながら友人とよく触れ合うことが、「ボケ予防」に効いているのでは?
 
仙台では、緑茶を飲む人が紅茶を飲む人より圧倒的に多いため、「茶飲み友達」をつくりやすい。
それに対して、イギリスでは紅茶がメジャーということなのでしょう。
 
嗜好品の健康効果は、「食品のスパイスそのもの」ではなく、「誰と飲むか」で決まってくるのではないでしょうか。
 
スパイスといえば、カレーをたくさん食べるインド人は、アメリカ人に比べて認知症になる危険が3分の1であるという報告もあります。
さらにシンガポール人の研究では、カレーをまったく食べない人(シンガポールでは珍しいのでは!?)はよく食べる人に比べて、認知症になる危険が2倍になるという研究もあります。
 
基礎研究では、カレーの黄色い色のもととなるターメリックに含まれるクルクミンというスパイスが、認知症を予防しているのではないかと考えられています。
 
 カフェインやカテキン以上に、「茶飲み友だち」がボケ予防のスパイスに!
 
自己診断⇒105日記事:ステップ2 あなたの脳に不足しているのは「A(アセチルコリン)」ですか?「S(セロトニン)」ですか?
「もの忘れとウツがなくなる「脳」健康法 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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