アセチルコリンが欠乏する病気―レビー小体型認知症

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レビー小体型認知症」が認知症のひとつに数えられたのはつい最近で、この病気の発見者は、日本人研究者の小阪憲司博士です。
アルツハイマー博士が1906年に初めてアルツハイマー認知症の症例を報告したように、小阪博士は1976年に初めてレビー小体認知症の症例を報告しました。
 
それから20年後の1996年に、国際医学会議でレビー小体型認知症ガイドラインが提唱され、この新しい病気の概念が認知されるところとなったのです。
 
レビー小体型認知症の概念ができ上がるまでは、この病気はアルツハイマー認知症うつ病パーキンソン病の中に紛れ込んでいました。
現在では専門医の間ではレビー小体型認知症は、決して珍しい認知症ではなく、アルツハイマー認知症に次いで多いのではないかと考えられています。
 
レビー小体型認知症では、アルツハイマー型のような認知障害に加えて、「赤い服を着た女の子が立っている」などのリアルな幻覚や、眠って夢を見ている時に、手足をバタバタ動かすなどの睡眠中の異常行動を認めることがあります。
 
レビー小体認知症では、うつ状態や妄想も多く認めるため、「心の病」と診断されることが多いのです。
ところが、抗精神病薬が投与されると、患者さんの症状はかえって悪化します。
 
レビー小体型認知症でも、アセチルコリンの不足がさまざまな症状の現れに関係していると考えられています。
そのため、アセチルコリンを活性化させる効果のある薬「アリセプト」が投与されると、患者さんの症状が軽快します。
 
ただし、2010年の時点でアリセプトは、レビー小体型認知症では保険診療による投与は認められていません。
これではいけないので、専門医は、承認申請のため有効性を示すデータを収集しているところです。
「A(アセチルコリン)欠乏脳」のための健康10カ条⇒1021日記事
「もの忘れとウツがなくなる「脳」健康法 より」
 
 
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木枯らしと孤独が骨身に染みる秋が深まるとなんとなく悲しい気持ちになるといわれていますが、はたして秋の物悲しさには医学的な根拠はあるのでしょうか?

 なんと季節の変化が引き起こすうつ病が存在するというのです。
エアコンの使用が一般的になり夏に体が冷えてしまうなど季節の変化に対応しにくくなった現代人。
季節性うつは自然な生活リズムを崩してしまった人がかかりやすい病気なのだそうです。

 「なかでも10月から3月頃にみられる冬季うつは、過食、過眠なども主な症状としてあげられます。秋になり日照時間が短くなることで、メラトニンというホルモンの分泌に異常が起こり体内時計が狂ったり、神経伝達物質セロトニンが減ることによる脳の活動低下が原因と考えられています」

 うつ病は、今やサラリーマンの3割近くに見られ、「心のかぜ」ともいわれるほどポピュラーな病気になりました。
原因としては、精神的なストレスのほか、コンピューターによるテクノストレスや、テレビやゲームなどによる眼精疲労などが元になることもあります。
 
また、脳内の神経伝達物質であるセロトニンノルアドレナリンが減少したり、視床下部や下垂体といった脳の機能の異常なども、原因として考えられています。
 
不足している栄養素がないよう食生活の乱れに注意したり、パソコンなどを使いすぎないように気をつけたりといった、生活全般を見直してみることが必要です。
 
うつ症状の予防や軽度の場合の改善に役立つのは、ハーブの一種であるセントジョーンズワートです。
有効成分のぺルリフォリンに、脳内の神経伝達物質セロトニンを増加させる働きがあるため、おちこんだ気分を回復して、気持ちを適度に高揚させてくれます。
 
そのほかには、神経伝達物質セロトニンの材料となるトリプトファンや、セロトニンなどの生成に必要なビタミンB6・B12葉酸などのビタミンB群を補給します。
 
トリプトファンアミノ酸の一種で、牛乳や肉(赤身がいい)などのたんぱく質に含まれています。
ビタミンB6は、かつお、まぐろ、さけなどの魚類、牛肉、鶏ささ身、レバーなどに多く含まれています。
ビタミンB12はレバーや魚介類に、葉酸はレバーのほか、菜の花、モロヘイヤ、春菊など緑の濃い野菜に多いです。
また、イチョウ葉に含まれるギンコライドやケルセチンなどのポリフェノールは、脳の血液循環をよくして、脳を活性化します(お茶などでとるのがおすすめです)
 
 加えて、散歩など屋外で体を動かす機会を増やすと、気分のおちこみを軽減しやすくなります。
 
 ただし、軽度のおちこみだけでなく、うつの症状がみられるときは、まず病院で検査を受け、治療と並行して、これらの食事療法を行ってください。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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