「家族の記憶」がなくなってしまうことも

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「家族の記憶」がなくなってしまうことも
 
認知症で「物忘れ」の自覚がないのは、記憶そのものが残らないために起こるのですが、長年付き合ってきた身近な人の記憶までなくなることもあります。
 
ある程度の年齢になると、久しぶりに会ったが、名前が浮かんでこないといった体験をしている人は多いでしょう。
「この人とは、どこかで会って話をしたことがある」という記憶はあるのに、名前が出てこないとか、いつ、どこで会ったかはっきりしないといった感じです。
 
ところが、認知症が進むと、その人の記憶そのものがなくなるため、かなり親しくしていた人のことでも記憶がなくなり、ついには家族の記憶がなくなってしまうことまで起こります。
 
大好きだった親から「どなたでしたか?」などと聞かれると、子供としてはそうとうショックですが、それは親が冷たくなったのではありません。
子供に関する記憶そのものが残っていないからです。
 
 認知症の多くは、海馬(脳の下部にある細長い組織)の萎縮から始まります。
海馬は、新しい記憶を蓄積する場所です。
そのため、認知症の初期は、最近の記憶(短期記憶)が失われます。
たとえば、食べたばかりの昼ごはんの記憶がなくなるのは初期の症状です。
 
 この段階では、同じことを何度も聞いたり、言ったりする症状も現われます。
たとえば、自分がしまい込んだのに、そのことを忘れていて、どこに置いたのか周りに聞いたり、誰かが隠したのではないかと疑ったりします。
自分でしまい込んだことを説明されて1度は納得しますが、またしばらくすると同じことを聞いたり、言ったりします。
 
 これは、認知症の人にとっては「同じこと」をくり返しているわけではありません。
聞いたこと言ったこと自体の記憶がなくなっていて、本人にとっては毎回初めてのことなのです。
60歳からはじめる認知症にならない超簡単脳にいいこと より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。
 
京都大学医学部老年科の亀山教授によると、健康な老人の脳に比較して、老人性認知症患者の脳では、含まれるビタミンB12が、半分どころか、1/41/6程度にまで、低下していたと報告しています。

ビタミンB12は、レバーなどの動物性食品に多く含まれ、植物性食品にはほとんど含まれていませんが、例外的に味噌や納豆のような発酵食品に含まれます。

ビタミンB12は、水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造をもっています。
脳は、たんぱく質とともに脂肪成分を多く含む器官です。そのため、ビタミンB12はたやすく脳に入り、脂肪成分による汚れで詰まった部分を洗い流すことにより、復元し、また、切れた部分があれば、修復作用を発揮します。

ビタミンB12は、核酸とタンパク質の合成に関わり、脳や神経系との関わりが深く、また、ビタミンB6葉酸とともに動脈硬化の原因となるホモシステインを減らす働きがあります。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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