認知症予防には有酸素運動が有効

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認知症予防には有酸素運動が有効
 
年を取るにつれて、どうしても体を動かすのが億劫になり、家の中にいることが多くなりがちです。
出かけるにしても、階段よりはエスカレーターやエレベーターを利用するなど、体を動かすことを避けてしまいやすいものです。
 
そうして運動量が減ると、筋肉が萎縮したり、心臓や肺の機能が低下したりします。
 
行動量も減るため、精神面での刺激が乏しくなり、ものを考えたり判断したりする機会が少なくなって、精神活動も低下していきます。
 
こうした状態が続くと、認知症のリスクが高くなります。
この点でも、中高年になって運動をすることは、認知症の予防対策として重要です。
 
運動には体内の糖質や脂肪が、酸素とともに消費される有酸素運動と、酸素を消費しないで筋収縮のエネルギーを発生させる無酸素運動とがあります。
 
そのうち、とくに有酸素運動は、認知症ではない健康な成人が継続的に行なうと、認知能力が改善することがわかってきています。
また、有酸素運動によって「サイクリックAMP」という物質が増えて、脳も含めて体全体の細胞が活性化することがわかっています。
 
このことは、日常、ちょっと歩いていると頭がスッキリしてくるという体験とも一致します。
 
歩いていると思わぬアイデアがすっと浮かんできたり、忘れていたことを思い出したり、見慣れているはずの景色の中に新たな発見をしたりするといった体験もあるでしょう。
 
認知症ではない高齢者が継続的に有酸素運動をすると、海馬が大きくなって空間記憶が改善することや、加齢に伴って生じる脳の灰白質の減少が抑制されることもわかっています。
 
たしかに、歩いたほうが方向感覚がはっきりしてきますし、どこに何があるという空間記憶もはっきりしてきます。
 
有酸素運動をするとアルツハイマー認知症の有力な容疑者アミロイドβタンパクが減少することもわかっています。
アミロイドβタンパクを分解する酵素が活性化されるからです。
 
また、有酸素運動をすることで海馬の神経細胞が刺激されることもわかっています。
脳内の海馬は、「記憶の指令塔」ともいうべき機能を受け持っています。
 
この海馬の神経細胞は、加齢とともに減少するのですが、運動をすると、神経細胞を活発化するホルモンが分泌されて、減少を食い止めることができるといわれています。
 
そのための運動としては「週に2回以上の運動がよい」とされています。
週に2回ぐらいなら、1週間や2週間くらいは続きそうです。
しかし、それ以上継続するのはなかなかです。
 
やはり、手軽に楽しくできる有酸素運動がいいのです。
歩くことと自転車に乗ること、そして、手軽な室内運動をおすすめしています。
60歳からはじめる認知症にならない超簡単脳にいいこと より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。
 
京都大学医学部老年科の亀山教授によると、健康な老人の脳に比較して、老人性認知症患者の脳では、含まれるビタミンB12が、半分どころか、1/41/6程度にまで、低下していたと報告しています。

ビタミンB12は、レバーなどの動物性食品に多く含まれ、植物性食品にはほとんど含まれていませんが、例外的に味噌や納豆のような発酵食品に含まれます。

ビタミンB12は、水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造をもっています。
脳は、たんぱく質とともに脂肪成分を多く含む器官です。そのため、ビタミンB12はたやすく脳に入り、脂肪成分による汚れで詰まった部分を洗い流すことにより、復元し、また、切れた部分があれば、修復作用を発揮します。

ビタミンB12は、核酸とタンパク質の合成に関わり、脳や神経系との関わりが深く、また、ビタミンB6葉酸とともに動脈硬化の原因となるホモシステインを減らす働きがあります。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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