認知症に効果のある食べもので進行を遅らせる

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認知症に効果のある食べもので進行を遅らせる
 
●食べものと認知症には密接な関係がある
近年、認知症に関する研究が進み、認知症生活習慣病と同じくライフスタイルと密接な関係があるとがわかってきました。
なかでも食生活の影響は大きく、脳血管性認知症はいうまでもなく、アルツハイマー認知症も、食生活の改善によって予防できるという説が有力になっています。
 
2006年、アメリカのヴァンダービルト大学医学部Qi Dai博士による、大規模な疫学調査の結果が発表されました。
 
1800人の日系アメリカ人を対象にしたこの調査によると、週3回以上、野菜または果物のジュースを飲む人は、週に1回未満しか飲まなかった人に比べると、アルツハイマー認知症の発症率が76%も低かったのです。
12回飲むだけでも、1回未満の人にくらべると16%低下することがわかりました。
これは果物や野菜に含まれる強力な抗酸化物質、ポフェノールの働きではないかと考えられています。
 
●食べものの栄養成分が脳を守る
脳はたくさんの酸素を必要とするため、活性酸素が生じやすくなっています。これが脳の神経細胞に深刻なダメージを与え、シナプスの働きを低下させ、情報の伝達を阻害するのです。
また、活性酸素は、アルツハイマー認知症のおもな原因である、βアミロイドの生成にも関わっているのではないかと考えられています。
 
このような神経細胞の退化は静かに何十年もかけて進行し、認知症の発症へとつながっていきます。
ある日突然起こるわけではありません。
ですから、40代ぐらいから脳によい食事をしていれば、予防できるというわけです。
 
野菜や果物には、活性酸素を撃退する抗酸化物質が豊富に含まれています。
野菜嫌いの人とふだんからたっぷりとっている人、どちらが認知症になりにくいかは明らかです。
また、シカゴのラッシュ大学健康老化研究所のマーサ・クレア・モーリス博士らが高齢者を対象に行った調査では、週に1回以上魚を食べる人は、食べない人に比べて、アルツハイマー認知症になるリスクが60%も低くなることがわかりました。
こりは青魚に多く含まれるDHAの作用だと考えられています。
同様の報告が世界各国から寄せられており、青魚は認知症を防ぐ切り札的食べものといえるでしょう。
 
●適切に食べれば認知症の進行を抑えられる
すでに認知症を発症している人も、諦めるのは早計です。
正しい栄養知識を持って適切に食べれば、認知症を改善したり進行を遅らせることは可能です。
 
2009年、タフツ大学のジェイムズ・ジョゼフ博士らの研究結果が発表されました。
 
高齢ラットにクルミを含む食事を与えたところ、運動障害や認知障害が改善したというのです。
クルミに含まれるオメガ3脂肪酸ポリフェノール、種々の抗酸化物質などの働きによるものと考えられます。
人間なら、毎日79個のクルミを食べると効果が期待できます。
 
また、アメリカのシンシナティ大学のロバート・クリコリアン博士は、軽度の記憶力低下がみられる高齢者を2つのグループに分けて実験を行ないました。
 
一つのグループにはブルーベリージュースを12週間飲んでもらい、もう一つのグループには偽のジュースを飲んでもらいました。
すると、ブルーベリージュースを飲んだ人々には記憶力の改善が見られたということです。
 
これは、ブルーベリーに含まれるポリフェノールアントシアニンの効果だと考えられています。
 
●食べ物の効果を最大限に引き出そう
このように食べものには大きなパワーが秘められています。
何よりうれしいのは、薬のような副作用がなく、認知症を防ぐ、あるいは進行を遅らせる、安全で手軽な方法だということ、食べものの効果を最大限に引き出すには、次のことに注意しましょう。
 
旬のものを食べる
野菜にも果物にも魚介類にも旬があります。旬はもっともおいしく栄養価が高い時期です。自然のサイクルに合わせて食べるのが、合理的かつ効果的です。
新鮮なものを食べる
旬のものでも、しなびていては栄養価は半減してしまいます。みずみずしさ、色、つや、張りなどをチェックして、できるだけフレッシュなものを選びましょう。
よく噛んで食べる
よく噛むと、その刺激が大脳皮質に伝わり脳の血流が増します。脳が活性化するため認知症予防につながります。ただし、高齢者の場合は、噛むことよりも食べることが先決です。食べられなければ栄養をとれません。噛むことにこだわるより、楽しく食べられる工夫をすることが大切です。
認知症 治った!助かった! この方法 より」
 
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現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
また、食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
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