認知症に効く栄養成分⑥≪ビタミンB12≫

イメージ 1
認知症に効く栄養成分⑥≪ビタミンB12
 
●赤血球のヘモグロビンの合成を促進
ビタミンB12にはコバルトが含まれ、暗赤色をしているので、「赤いビタミン」とも呼ばれています。
他のビタミン類に比べると必要とされる量はごくわずかですが、造血や神経の機能維持に不可欠な栄養素で、重要な役割を果たしています。
 
ビタミンB12葉酸と協力して、赤血球のヘモグロビンの合成を促します。
赤血球は骨髄でつくられており、はじめは原始的な形をしています。
成熟の過程でヘモグロビンが生成されて、正常な赤血球へと成長していくのです。
 
ビタミンB12が不足していると、成熟した赤血球がつくれず、骨髄に巨大な赤血球ができたり、体内を循環する血液中では赤血球の数が減少して貧血になります。
これを「悪性貧血」と呼んでいます。
 
●不足すると認知機能の低下が起こる
ビタミンB12は、核酸やタンパク質、脂質の合成にもかかわっています。
また、神経機能を正常に保つ働きがあり、認知症を予防する効果もあると考えられています。
 
英オックスフォード大学の研究チームが、1648人を対象に、ビタミンB12及び葉酸と、認知機能の関係について調べました。
その結果、ビタミンB12の血中の濃度が高くなると認知機能の低下が遅くなり、濃度が低くなると認知機能が急速に衰えることがわかったのです。
葉酸については、このような関係は認められませんでした。
 
また、米ラッシュ大学医療センターが、地域の高齢者121人を対象に行った追跡調査によっても、ビタミンB12が不足すると脳が萎縮し、記憶力や認知機能が低下することがわかりました。
 
ビタミンB12は、記憶形成につながる神経細胞を活性化し、神経細胞を包んでいる髄鞘(ミエリン)を保護します。
ビタミンB12が不足すると、このミエリンが壊れ、脳の萎縮が進行すると考えられています。
 
●厳格なベジタリアンは要注意
ビタミンB12は、肉や魚、卵、乳製品など、主に動物性食品に含まれています。
そのため、厳格なベジタリアンはビタミンB12不足に陥るおそれがあります。
胃を全切除した人や高齢者で萎縮性胃炎がある人も注意が必要です。
認知症 治った!助かった! この方法 より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
また、食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
詳細はこちらへ