認知症に効く栄養成分⑧≪アスタキサンチン≫

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認知症に効く栄養成分⑧≪アスタキサンチン
 
●最強のカロテノイド
アスタキサンチンは、β-カロテンやリコピンと同じカロテノイドの一種で、サケやエビ、カニイクラなどに含まれる赤い色素です。
エビやカニに含まれているアスタキサンチンは、タンパク質と結合しているため黒ずんでいますが、加熱するとタンパク質とアスタキサンチンが分離して本来の赤い色になります。
 
アスタキサンチンの抗酸化力は非常に強く、一説にはβ-カロテンの100倍、ビタミンEの1000倍ともいわれ、最強のカロテノイドと称されています。
 
サケの遡上を支えているのもアスタキサンチンです。
もともとサケは白身の魚ですが、厳しい産卵にそなえてアスタキサンチンを筋肉に蓄えるため、赤くなるのです。
 
産卵の時期になるとサケは生まれた川に帰り、1日に十数kmも激流に逆らって上っていきます。
このとき、過酷な運動や紫外線によって大量の活性酸素が発生しますが、アスタキサンチンがこれを消去してサケを守ります。
 
目的地にたどりつくと、サケは卵を浅瀬に産みつけます。
イクラが赤いのは紫外線によるダメージを防ぐため、メスが自分のアスタキサンチンを卵に移すからです。
 
●広い守備力で細胞膜を守る
アスタキサンチンは、人間の体内においても、他の抗酸化物質と連携して活性酸素から細胞膜を守ります。
細胞膜の内側に常在するビタミンE、細胞膜の中心部で活躍するβ-カロテンに対し、アスタキサンチンは細胞膜の中心部から表面まで幅広くカバーします。これが最強のカロテノイドといわれるゆえんです。
 
とりわけ、紫外線によって発生する「一重項酸素」といわれる活性酸素に、強いパワーを発揮します。
この活性酸素は、肌のシミやしわ、たるみを引き起こす元凶です。
 
かつてはアスタキサンチンはオキアミから抽出されており、コストが高くつくのが難点でした。
今はヘマトコッカス藻という藻から安価に抽出できるようになり、サプリメントや化粧品などに、広く利用されます。
アスタキサンチンには、日焼けを防止し、メラニン色素の生成を抑制する働きがあります。
 
●脳の認知機能を改善
アスタキサンチンは、美肌に役立つだけでなく、がんや動脈硬化などの生活習慣病を予防し、老化を防ぎます。
さらに最近では、認知症を改善する効果もあるとして、注目されています。
 
アスタキサンチン血液脳関門を通過してダイレクトに脳に到達する数少ない抗酸化物質の一つです。
血液脳関門はいわば関所のようなもの。
ビタミンEやβ-カロテンでさえ入れないのに、アスタキサンチンはやすやすと通り抜けるのです。
 
順天堂大学の白澤卓二教授らは、こんなアスタキサンチンの効力に着目し、脳機能に与える影響を調べました。
加齢に伴う物忘れを自覚している5069歳の男性10人にアスタキサンチン12週間服用してもらい、認知の反応速度を測定したのです。
「モニターに映し出されたトランプの色が赤か黒かを判断してボタンを押す」「画面上のトランプが裏から表にひっくり返ったらボタンを押す」など5項目について調べたところ、すべての項目で反応が速くなり記憶力も改善しました。
 
アスタキサンチンには、脳の認知機能を改善する効果があると考えられます。
 
しかも、アスタキサンチン血液脳関門だけではなく「血液網膜関門」も通過できるのです。
血液網膜関門は、目の網膜を有害物質から守るシステムで、ほうれんそうに含まれるルテインやゼアキサンチンなど、限られた成分しか通れません。
 
目は活性酸素にさらされており、酸化しやすくなっています。
アスタキサンチンは網膜に発生する活性酸素も消去して、黄斑変性症や白内障などを防ぎ、眼精疲労を改善します。
 
アスタキサンチンは、100gのベニザケの切り身に約3mg含まれています。
1日に0.6mg以上摂取すると、LDLコレステロールの酸化を抑制できるといわれています。
6mgぐらいとると、全身にその効力が及びます。
サケなら2切れ程度です。
脂溶性なので油といっしょにとると、吸収率がアップします。
ソテーやムニエルにして食べるといいでしょう。
魚では、サケのほか、タイやキンメダイ、キンキなどに多く含まれます。
認知症 治った!助かった! この方法 より」
 
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現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
また、食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
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