「良くなろう」と思う心を持つ―「習慣2」

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「良くなろう」と思う心を持つ―「習慣2
 
パーフェクトな人間などいません。
 
人にはそれぞれ欠点や悩みがあって、なかには克服するのが不可能と思われるような問題を前に、悩み続けている人も多いことでしょう。
 
じつは、私もそんな悩みを抱えていました。
中学時代、「赤面恐怖症」に悩んでいたのです。
授業中に先生に指名されたとたん赤面してしまうため、ついたあだ名は「金時」。
足柄山で、真っ赤な顔をしてすもうをとったという金太郎のことです。
 
元来、負けず嫌いで、勉強でもスポーツでも、とにかく一番でないと気がすまない子どもでしたから、その我の強さが災いしていたのかもしれません。
人が見ていると思うと、あまりの気負いと緊張感から顔が真っ赤になってしまうのです。
 
大人から見れば、とるに足らない悩みと映ったでしょうが、1314歳の少年にとっては深刻な問題です。
なんとか克服しなければと、子どもながらにあせったものです。
 
その結果、弁論部に入学しました。
弁論部に入って少しずつトレーニングすれば、いつか人前で話をすることに慣れ、赤面恐怖症も治るに違いないと思ったからです。
政治家・永井柳太郎の著書も参考にしました。
彼は議会で名演説をしたといわれ、その雄弁の著を読んで、どうすれば自分の意見を恥ずかしくなく伝えられるかを学びました。
 
この方法は成功でした。
入部したばかりころは、依然「金時」のままでしたが、顔を赤らめながらも何度も演台に立ち、一生懸命に人前で話すうちに、いつしか大勢の前で話すことに苦痛を感じなくなってきました。
 
さらには、どうすれば自分の意思をうまく伝えられるのか、話し方や身振りにまで思いが至るようになりました。
教室で名前を呼ばれただけで真っ赤になっていたころに比べると、それは格段の進歩でした。
 
今は、たくさんの講演をし、コーラス隊に参加してコンサートで歌ったり、お芝居に出たり、そんなことをとても楽しみにしています。
あの少年の日に、思いつめるほどに悩み、なんとしてでも赤面恐怖症を克服したいという自分がいなければ、今はなかったことでしょう。
 
そして、この体験は、「良くなろうという気持ちさえあれば、どんな問題も克服できる」という自信を、少年の心に植えつけました。
そして問題を克服した後は、悩んでいたころのうつうつとした気持ちは消えて、人生が楽しくなってることに気づいたのです。
 
そういえば、孔子の『論語』のなかにこんな言葉がありました。
 
「性は相近し、習いは相遠し」
 
これは、生まれたときの性質はだれもそう違わないが、習慣や教育によって隔たりができる、という内容の言葉です。
欠点や弱点を克服し、もっと良くなろうという気持ちを心の習慣として持ち続ける人は、どんなときでも力強く、楽しく生き抜くことができるのではないかと思います。
「生きるのが楽しくなる 15の習慣/日野原重明 より」
 
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
 
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
 
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
 
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
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