まず環境を変える
「タバコをやめたくて、あらゆる禁煙法にチャレンジしたがうまくいかない」
「医師から減量したほうがいいと言われているが、間食がやめられない」
こうした悩みを抱える人は多く、失敗を繰り返している人も少なくないと思います。
喫煙や間食など、ストレスの多い現代人には、なかなか困難なことなのです。
こういう場合、まず環境を変えることを勧めます。
たとえば、「旅行に出かけている間だけはタバコをやめよう」とか、「会社にいる間は間食しないように宣言しよう」など、環境を一つのきっかけにするのです。
「私はこうしてタバコをやめたのだ」とか「このように工夫してやせたのだ」という体験者の講演会を聞きにいくのも一つのきっかけとなるかもしれません。
同じ悩みを克服した体験者というものは、意外に効果的だったりするのです。
たとえそれが医師であったとしても、タバコを吸ったことがない人が禁煙の必要性を説明したところで、あまり説得力はありません。
しかし、「私は禁煙前、毎日60本吸っていたが、それが現在では1本も吸わないですむようになった」という話を聞いたら、どんな禁煙法をしたのか興味がわいてきませんか。
自分にもできるかもしれないという気持ちになるのではないでしょうか。
生活習慣に悩みを抱える人のために何か役に立てないかと、30年ほど前に、財団法人ライフ・プランニング・センターを創立しました。
これは、その名の示すとおり、人間が健やかに成長し、満足のいく人生を生きるためにはどうしたらいいかを考え、実践している団体です。
ここではタバコをやめるための会や、上手にやせるための会が開かれていて、このような会での交流をきっかけに、悪い習慣をあらためることに成功した人は多くいます。
同じ悩みを持つ人同士、ともに努力すること自体が励みとなり、その成功率は高いようです。
そういう意味で、悪い習慣をコントロールするには、自分自身に環境の変化を与えることです。
「生きるのが楽しくなる 15の習慣/日野原重明 より」
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6、葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
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