気分がおちこむ―うつの初期症状
《おちこみから、うつ症状やうつ病へ移行することも》
仕事上の苦境、精神的なショック、人間関係のトラブル、経済的な悩みなど、誰でもつらいことや悲しいことがあると、気分がおちこみます。
そして、しばらくすると回復するのが正常な反応です。
ところが、落ち込んだ状態が何か月も続き、やがて日常的な活動に支障をきたすようになると、うつ症状となり、それがさらに進むと、うつ病になります。
うつ症状では、不眠、疲労感、やる気のなさ、食欲不振といった不調が現れるようになり、うつ病になると、身なりにかまわなくなったり、無感情になったり、自責感や無価値感が強くなって、自殺を図ることもまれではありません。
おちこみがうつ症状やうつ病に移行しているかどうかは、専門医が経過観察をしないと診断できません。
シロウト判断は禁物です。
おちこみが長引いているときは、心療内科などを受診してみましょう。
うつ病は、いまやサラリーマンの3割近くに見られ、「心のかぜ」ともいわれるほどポピュラーな病気になりました。
原因としては、精神的なストレスのほか、コンピューターによるテクノストレスや、テレビやゲームなどによる眼精疲労などが元になることもあります。
不足している栄養素がないよう食生活の乱れに注意したり、パソコンなどを使いすぎないように気をつけたりといった、生活全般を見直してみることが必要です。
抗うつ薬やカウンセリング治療もあるので、おちこみが続いたら早めに治療を受けるようにしましょう。
うつ症状の予防や軽度の場合の改善に役立つのは、ハーブの一種であるセントジョーンズワートです。
日本では「オトギリソウ」と呼ばれる薬草で、ヨーロッパでは古くから、天然の抗うつ薬として、おちこみを原因とする不眠の改善などに用いられてきました。
セントジョーンズワートのハーブティーを飲むのがいいでしょう。
ビタミンB6は、かつお、まぐろ、さけなどの魚類、牛肉、鶏ささ身、レバーなどに多く含まれています。
ビタミンB12はレバーや魚介類に、葉酸はレバーのほか、菜の花、モロヘイヤ、春菊など緑の濃い野菜に多いです。
お茶などでとるのがおすすめです。
加えて、散歩など屋外で体を動かす機会を増やすと、気分のおちこみを軽減しやすくなります。
ただし、軽度のおちこみだけでなく、うつの症状がみられるときは、まず病院で検査を受け、治療と並行して、これらの食事療法を行ってください。
「病気にならない人の食べるクスリの本 より」
栄養療法の一環にビタミンB12プラス優れた副成分