ものを食べるのは複雑な動き

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ものを食べるのは複雑な動き
 
脳卒中の後遺症などにより口や咽が麻痺すると、どうなるのでしょうか?
 
その前に、ものを食べるとき、私たちの口や咽がどのような動きをしているのかを、確認しておきましょう。
 
健常者がほとんど無意識に行っている、ものを食べるという行為ですが、改めて知ると、
「そんなに複雑な動きをしていたのか!」
と驚きますよ。
 
まず、口に入れた食べ物を前歯で噛み切ります(専門用語では「咬断」といいます)
 
続いて、噛み切った食べ物を、舌が奥歯(臼歯)の噛み合わせの面(咬合面)に運んで、内側から舌が、外側から頬が、前方から唇が、それぞれ適度な力で食べ物をはさみ、粉々にしたり(粉砕)、すり潰したり(臼磨)します。
その際、主に耳下腺から分泌されるサラサラとした唾液が、食べ物に水分を含ませる役割りを果たします。
 
そのようにして噛み砕いたものを、舌が唾液と混ぜ合わせて(混合)、「食塊」と呼ばれるドロドロの固まりを作ります。
顎下腺と舌下腺から分泌されるネバネバとした唾液が、この「混合」段階で役立ちます。
 
ここまでが、「咀嚼」と呼ばれる過程です。
 
食塊ができあがると、飲み込みの反射が生まれます。
 
ゴックンと飲み込むときの咽の動きを、「嚥下」といいます。
 
咽は、気管と食道とに分かれます。
気管は、咽の前方にあり、肺に向かいます。
食道は、咽の後方にあり、胃に向かいます。
 
ちょっと、唾をゴックンと一回飲んでみてください。
 
口は閉じられて、奥歯が噛み合わさっているのがわかります。
噛むことで、あごを固定しています。
 
つまり歯は、咀嚼だけではなく、嚥下にも役立っているわけです。
 
奥歯を噛みしめたら、次に、軟口蓋と呼ばれる上顎後方の柔らかい筋肉が上がって、口から鼻につながる通路(鼻咽腔といいます)をふさぎます。
これによって唾などが鼻咽腔に流入するのを防ぐのです。
 
さらに、舌骨という、舌の根元につながっている小さな骨が持ち上がり、喉仏がいったん上がってから、下がります。
これは、喉仏を押さえていると分かると思います。
 
喉仏が上がる一方で、舌の根元位置が動くことにより、気管をふさぐフタが降りてきて、咽の前方にある気管の入り口をふさぐと、喉仏が元の位置まで下がります。
 
要するに、口の中は、前方は唇がふさがり、上方は鼻咽腔がふさがり、そして下方は気管がふさがることで、密閉状態になります。
 
密閉状態になったと同時に、舌が上顎を押し付け、口腔内圧が一気に高まります。
 
咽の奥のほうに食塊が触れた刺激が、知覚神経により延髄に達し、延髄が即座に嚥下運動の命令を下して、「ゴックン」という嚥下反射が起こり、咽の後方にある食道の入り口が開き、そこに唾液が流れていきます。
それは100分の1秒の現象です。
 
神様は、なんとデリケートな人体運動を作り上げたことでしょう。
「長生きは「唾液」で決まる! より」
 
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