亜鉛と銅と暴力の関係

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亜鉛と銅と暴力の関係
 
血液中の亜鉛が不足し、銅が増えることで困るのは、イライラがつのり、暴力が発生しやすくなることです。
イリノイ州にある健康研究所のウイリアム・ワルシュ博士の報告を紹介しましょう。
 
同博士が、暴力行為で刑務所に収容されている135人の男性囚人と、暴力事件の経験のない一般男性18人の血液に含まれる亜鉛と銅を測定しました。
 
その結果、暴力的な男性における「銅/亜鉛」比は1.40、一般の男性では1.02でした。
要するに、暴力的な男性は一般の男性にくらべて亜鉛の濃度が低く、銅の濃度が高かったのです。
 
そこで亜鉛の不足と銅の過剰を解消したところ、彼らの暴力はかなりおさまりました。
もちろん、食事から摂る亜鉛では間に合わないので、サプリメントから亜鉛を摂ったのです。
また、銅の過剰は、銅をほとんど含まない食事を摂ることで解消できました。
 
ワルシュ博士の報告は健常人を対象にした暴力とミネラルの調査ですが、統合失調症患者を対象にした調査については、トルコニアルフィラット大学のトクデミア教授が報告しています。
 
対象となったのは88人の統合失調症患者で、44人は暴力犯罪歴あり、44人は暴力犯罪歴なし、です。
血液100ミリリットル中の亜鉛は、暴力犯罪歴ありが68マイクログラム、暴力犯罪歴なしが81マイクログラムでした。
一方、銅は、暴力犯罪歴ありが104マイクログラム、暴力犯罪歴なしが93マイクログラムでした。
 
「銅/亜鉛」比を見ていくと、暴力犯罪歴ありが1.53、暴力犯罪歴なしが1.15となります。
ワルシュ博士とトクデミア教授の報告は大筋において一致しています。
 
もちろん、暴力などの攻撃的な行動は、血液中の亜鉛や銅の濃度だけによるものではなく、これら以外の多くの物質のアンバランスに由来するはずです。
しかし、亜鉛と銅が、暴力というきわめて攻撃的な行動に大きな影響力を持っていることは確認できたといえます。
「食べ物を変えれば脳が変わる より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

 イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。

 現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

 また、
シナプス形成に必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12です。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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