「炭水化物ダイエット」より「プチ糖質制限」?

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「炭水化物ダイエット」より「プチ糖質制限」?
 
近年、話題の「炭水化物ダイエット」。
健康を意識している人の中には、すでに実践している人も多いのではないでしょうか。
 
炭水化物ダイエットとは「ご飯やパン、めん類などの主食やお菓子などの糖質を減らし、代わりにおかずを多く食べる食事方法」のこと。
等質は血糖値を上げる働きがあるとともに、血糖値を下げるためのインスリンの分泌も増やします。
 
エネルギーとして使われずにあまった糖質は、インスリンの働きによって脂肪としてどんどんため込まれるため肥満を引き起こすのです。
このように脂肪蓄積に直結する栄養素である炭水化物を制限するのが、炭水化物ダイエットなのです。
 
この食事方法は、もともと糖尿病の患者さんの治療のために考え出されたもので、良い点がたくさんあります。
 
ここでは、その「やりすぎの害」について、まずお話しましょう。
というのも、最近、「炭水化物ダイエットにハマリすぎて……」という訴えを、耳にする機会が増えてきたからです。
 
「最近、体がだるくて、仕事を頑張れない。ヤル気も出ないし、フラフラします」
 
こう訴えてこられた患者さん。
この方は糖尿病ではないのですが、肥満気味であることを気にされ、「ご飯やパンやめん類を食べない」ことを徹底されていました。
しかし、次第に倦怠感や集中力の低下が表れ、「口臭がひどい」と指摘されるようにもなり、不安を感じて、来院されたというわけです。
 
この口臭は「ケトン体の一つであるアセトン」という物質が原因です。
厳しい糖質制限を始めると、ブドウ糖以外のエネルギー源である脂肪が盛んに代謝されて、血液中では「ケトン体」という物質の濃度が高まります。
そして尿や呼気にアセトンという物質が排泄され、呼吸が甘酸っぱくにおうようになります。
この臭気は、3ヶ月ほどでなくなることが多いようです。
でも……。
肥満解消のために「ケトン体」がにおってくるまで、厳しく糖質を制限する必要はありません。
そんなことは絶対に×です。
 
ましてや倦怠感や集中力の低下が出るようでは本末転倒ですが、実はこの症状は糖質制限によるというよりも、それに伴う極端な摂取カロリーの不足が原因と考えられます。
つまり、糖質の制限を補うだけの脂質、タンパク質の摂取が不足していると言い換えることができます。
ブドウ糖は脂質やタンパク質からも作ることができるからです。
 
そもそも、脳はブドウ糖が唯一のエネルギー源というわけではありません。
体臭のもととなった「ケトン体」は脳のエネルギーとして使われるからです。
 
このように、私たちの体は厳しい糖質制限をしても、糖質の不足を補って生きていく力があるのです。
しかし、そこまでしなくてもダイエットは可能です。
健康のために体調を崩したり、仕事の能率を下げたりしてしまっては、意味がありません。
 
そこで、安心して気楽に続けられる「プチ糖質制限」をご案内します。
 
プチ糖質制限の○は、いくつもあります。
 
1つ目は、カロリー計算をしなくてよいことです。
主食を減らすことで、炭水化物は自然と減り、摂取カロリーは大幅に減るものだからです。
 
2つ目は、肉食を減らさなくてもよいことです。
単にカロリーの摂取量を制限するタイプのダイエット方法の場合、脂肪の多い肉は一般的にカロリーが高いため、制限する人が多いものです。プチ糖質制限の場合、良質の肉であれば貴重なタンパク資源であるため、食べ続けてもよいのです。
 
3つ目は、外食先でも手軽に実践できることです。
レストランなどの外食はもちろん、旅先の旅館やホテルなどでも、主食の量さえ減らせば大丈夫です。
 
4つ目は、家庭の平和を守れることです。
作ってくれたおかずを優先的に食べてから、ご飯に取り掛かるというわけです。ご飯の場合、最初から「少なめに」と頼んでおけばムダになりません。
「長生きしたければ知っておきたい健康常識○と× より」
 
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イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
食事をぬくと低血糖状態になるため、イライラしやすくなります。
そういう場合は、血糖値を早く上昇させるため、体内ですみやかにブドウ糖に換わる砂糖やでんぷん質などの糖質をとりましょう。
コーヒーや紅茶に砂糖を入れて飲むのもいいですし、ご飯などの主食やいも類をとるのもおすすめです。
 
また、体内でブドウ糖が不足して血糖値が低くなると、血液中にあるトリプトファンやコリンなどのアミノ酸の吸収が悪くなるため、それらから作られる神経伝達物質セロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足してしまいます。
良質のたんぱく質(アミノ酸)が含まれる肉や魚介、卵、牛乳などをとりましょう。
神経伝達物質の生成に欠かせないビタミンB12はレバーや肉、魚介など、動物性食品に多く含まれています。
 
カルシウムは成人男女の場合、1日の目標摂取量は600mgほどですが、日本人の半数以上が目標量に達していません。カルシウムが不足すると、神経伝達のために骨を溶かして補うので、骨がもろくなります。
イライラだけでなく、骨粗しょう症予防のためにもカルシウムを積極的にとりましょう。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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