リコピンの抗酸化力はビタミンEの約100倍

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リコピンの抗酸化力はビタミンEの約100
 
 ファイトケミカルは栄養士の「栄養素」という定義から外れる成分です。
 
栄養素とは、欠乏すると健康が保てなくなり、不足が長引くと病気や死を招く食物中の成分のことです。
具体的には、糖質、脂質、タンパク質の「三大栄養素」に、ビタミン、ミネラルを加えたものが「五大栄養素」と総称されています。
 
加えて近年では食物繊維を“第六の栄養素”と呼ぶようになりました。
食物繊維とは、野菜や海藻のような食物に含まれている繊維質のことです。
食物繊維はヒトの消化酵素ではほとんど消化吸収されないため、従来は栄養素とは見なされていませんでした。
 
ところが、現在ではビタミンの生成に関わったり、腸内環境を改善したりする機能性を持つとわかったため“第六の栄養素”と称されるようになったのです。
 
国と厚生労働省により、これらの「六大栄養素」には1日に摂取するべき目安となる基準値が定められていますが、栄養素とは見なされていないファイトケミカルには摂取基準値は設けられていません。
 
しかし、ファイトケミカルには旧来の栄養素を凌駕するスゴイ実力が秘められています。
血管の若返りを目指すうえで重要な「抗酸化作用」を例に取りましょう。
 
五大栄養素に属する「ビタミン」にも抗酸化作用があります。
ことにビタミンACEは「ビタミンのエース(ACE)」と呼ばれており、老化や病気の元になる「活性酸素」を無害化するエース級のパワーを秘めています。
しかし、ファイトケミカルの抗酸化力は、このビタミンエースを遥かに上回ります。
 
たとえば、トマトやスイカに含まれているファイトケミカルの「リコピン」の抗酸化力はビタミンEの約100倍。
そしてクランベリーに含まれる「プロアントシアニジン」はビタミンEの約50倍、ビタミンCの約20倍の抗酸化力を持っているのです。
 
昔は夏になって海水浴に出かけると、家族でスイカ割りを楽しんだものです。
割ったスイカを食べると、太陽に焼かれて火照った体がスーッとしますが、それはすいかに含まれるリコピンの作用です。
紫外線を浴びて体内で発生した活性酸素を、スイカリコピンが処理してくれたのです。
 
経験的にそのスイカの効果を知っていた昔の人は、夏になると浜辺でスイカ割りをするようになったのでしょう。
ビタミンエースもエース級の栄養素ですが、第七の栄養素とも呼ばれるファイトケミカルは今後、生活習慣病を予防する“機能性成分”としてもっと重視されるべき成分なのです。
血管の老化を促すのは動脈硬化ですが、動脈硬化の発端となるのは酸化です。
 
 ファイトケミカルには酸化をブロックする働きがあるのです。
また、ファイトケミカルには血小板の凝集を抑制して血液が固まるのを防ぐ、血液サラサラ作用もあります。
ファイトケミカルは現在見つかっているもので数千種類ほどですが、全体では1万種以上あると推定されています。
そのおよそ9割は野菜や果物など日常的に食べている身近な食品に含まれています。
ファイトケミカルの遺伝子を持たず、自力でつくり出すことができない私たちは、野菜や果物などを食べてファイトケミカルを摂取するしかないのです。
「血管があなたの寿命を決めている 生活習慣で「老化」を進めないために より」
 
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ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ホモシステインLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
もしビタミンB群のビタミンB12葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
 
しかしビタミンB12葉酸が欠乏していると、ホモシステインが増え、その結果、血栓ができ、心筋梗塞脳梗塞になります。 
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
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