身近な野菜のファイトケミカル《タマネギ》

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身近な野菜のファイトケミカル《タマネギ》
 
 「タマネギ」もキャベツと並んで日本人になじみの深い野菜で、野菜炒めやカレーなどに欠かせません。
2013年に全国の主婦4700名を対象に行われた「2013年にもっとも食べた野菜」というカゴメの調査では、キャベツが1位、タマネギが2位となっています。
 
タマネギはユリ科ネギ属の野菜です。
中央アジア原産であり、薬用植物として世界に広がりました。
仲間には、ニンニク、ニラ、アサツキ、ラッキョウ、エシャロットなどがあります。
 
タマネギに含まれるファイトケミカルは「イソアリイン」。
そこから生じる「イソアリシン」は独特の香りと辛味の元になっています。
 
タマネギには多くの糖質が含まれていますが、生の状態ではイソアリシンの辛味が強すぎてまったく甘味が感じられません。
加熱するとイソアリシンが変化して辛味が抑えられるため、甘味が引き立つようになります。
 
タマネギを切ると涙が出てくるのは、イソアリインから催涙成分が同時に発生するからです。
この催涙成分は加熱調理で香りに変化し、たまねぎのおいしそうな香りを引き立たせます。
 
イソアリインはタマネギに含まれる酵素によって、前述のイソアリシンというファイトケミカルに変化し、血管を守る抗酸化作用を発揮します。
 
イソアリシンには抗がん作用もあり、がんを防ぐ食べ物の「フードピラミッド」では、タマネギはピラミッドの中腹付近にランクインしています。
 
タマネギの茶色い皮は調理する前に捨ててしまいますが、その皮にも重要なファイトケミカルがとくに豊富に含まれています。
それが「ケルセチン」です。
 
ケルセチンには強力な抗酸化作用と血液サラサラ効果があり、動脈硬化による血管事故の予防に役立つことがわかっています。
フィンランドで約1万人の男女を15年間調べた結果、ケルセチンの摂取量が多いと脳卒中などの脳血管疾患のリスクが下がると報告されています。
ケルセチンにはこの他、がん細胞の増殖を抑えたり、花粉症などのアレルギー作用を抑制したりする働きもあります。
 
タマネギの皮は食べられませんが、一緒に煮たり、炒めたりするとケルセチンが抽出されます(食べるときには皮を取り除いてください)
小型のタマネギであるペコロスなら皮ごとグリルしてもおいしく食べられます。
 
 ファイトケミカルには酸化をブロックする働きがあるのです。
また、ファイトケミカルには血小板の凝集を抑制して血液が固まるのを防ぐ、血液サラサラ作用もあります。
ファイトケミカルは現在見つかっているもので数千種類ほどですが、全体では1万種以上あると推定されています。
そのおよそ9割は野菜や果物など日常的に食べている身近な食品に含まれています。
ファイトケミカルの遺伝子を持たず、自力でつくり出すことができない私たちは、野菜や果物などを食べてファイトケミカルを摂取するしかないのです。
「血管があなたの寿命を決めている 生活習慣で「老化」を進めないために より」
 
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ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ホモシステインLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
もしビタミンB群のビタミンB12葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
 
しかしビタミンB12葉酸が欠乏していると、ホモシステインが増え、その結果、血栓ができ、心筋梗塞脳梗塞になります。 
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
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