糖尿病と歯周病の負のスパイラル

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糖尿病と歯周病の負のスパイラル
 
 日本の糖尿病患者は、予備群を含めると約2230万人と推計されています。
 
糖尿病はⅠ型とⅡ型があり、いわゆる生活習慣病といわれるⅡ型が約90パーセントを占めます。
Ⅱ型糖尿病は、もともとインスリンが正常に分泌されていたのが、暴飲暴食や肥満や運動不足、ストレスなどでインスリンの分泌が減少することにより血糖値が上がります。
 
糖尿病は気づかないうちに進行する病気です。
最初は口が渇き、多尿になるといった程度の症状で、痛いとか苦しいといった自覚症状はありません。
しかし病状は徐々に進行し、血管がぼろぼろになり、心臓病を合併したり、網膜はく離から失明に至ったり、腎不全による人工透析や血流障害による壊疽を起こします。
 
 糖尿病は血管にダメージを与える病気です。
 
 歯肉は毛細血管がたくさん集まっている場所ですが、仮に糖尿病が原因で歯肉の毛細血管も障害されるとどうなるでしょうか。
まず、歯肉の下の組織を通る血流が悪くなり炎症が起こり、歯に付着している歯肉がはがれやすくなります。
つまり、歯肉と歯の間の溝が開いて、細菌が入ってきやすい状態になります。
さらに炎症が広がると、歯肉の下にある歯根膜線維細胞の中のコラーゲン線維が破壊され始めます。
 
 細菌のバリアとなっていた歯肉部分の毛細血管から血液成分が沁みだすので、防御壁が壊れ、ますます歯周病に感染しやすくなります。
歯肉の毛細血管も糖尿病によって変性し、歯肉への酸素や栄養成分が十分に届かなくなり、歯肉の組織は正常な働きを保てません。
つまり、歯周病になると炎症が起きて血流が悪くなり、免疫細胞と細菌の戦闘が起こり、歯周組織は危険な状態にさらされます。
 
 糖尿病の合併症として、血行障害の他に神経障害も起こります。
末端の神経が障害され、知覚が減少し、熱い鉄板に手足をつけても熱さを感じないという神経障害が起こります。
これらの合併症が起こると、免疫機能が低下して、歯周病菌の繁殖力がさらに増強します。
 
 また血糖値の高い状態が続くとタンパク質に糖が附着する、いわゆる糖化が始まります。
糖化は皮膚のたるみの原因といわれて最近も話題になっていますが、タンパク質と糖が結合してできた最終生成物AGEsは血糖値を上げるといわれています。
全身の抵抗力が落ちてくるため、これが歯肉の抵抗力を弱めることにもつながり、一層歯周病に対する抵抗力が落ちてしまいます。
 
 こうして糖尿病の進行によって、歯周病の症状が進行しやすくなり、しかも治りにくいのです。
 
 糖尿病にとって歯周病がリスクファクター(危険因子)であると同時に、歯周病にとっても糖尿病がリスクファクターになっているのです。
「口の中をみれば寿命がわかる より」
 
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 すべてのビタミンが老化と関係があります。
とくに、B類のビタミンB12、B6葉酸は生活習慣で老化を早めないために役立つ成分です。
また、老人性認知症患者の脳にはビタミンB12が不足しているという報告もされています。
 
 認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 
 体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ成分です。
 
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