口腔内細菌が心臓病のリスクを高める

イメージ 1
口腔内細菌が心臓病のリスクを高める
 
 500種とも700種ともいわれる常在の口腔内細菌の中でも性質の悪いのが、歯周病菌に代表される嫌気性グラム陰性菌の仲間です。
 
多くの研究者が歯周病菌と心臓病の関連について研究を行っています。
アメリカで、歯周病と冠動脈精神疾患の相関について14年にわたる長期の追跡調査を行った興味深い研究があります。
疫学と生物統計学マースフィールド医学研究班のデステファーノ教授が9760人を対象に行ったもので、年齢、性別、人種、教育、結婚暦、収縮期血圧、総コレステロール値、BMI値、血糖値、運動量、アルコール消費量、喫煙の有無、貧困の度合いなど冠動脈精神疾患に与える様々な数値を補正して調査しています。
 
これによると、歯周病患者はそうでない人に比べて、冠動脈性心疾患を発症しやすいというのです。
 
その後、21歳から80歳の921人の男性を18年以上にわたり追跡したところ、歯槽骨が吸収されるまで歯周病の進んだ207人は、冠動脈性心疾患を発症し、59人が死亡、40人が心筋梗塞になっています。
歯周病で骨まで溶けた人は、動脈硬化を起こしやすいだけでなく、心筋梗塞の発作で死亡率が高いといいます。
 
最終的な分析としては、歯周病はそうでない人に比べて、0.5倍から2.8倍冠動脈性心疾患による血管障害のリスクが高いという結果になりました。
血管障害による心筋梗塞になりやすいということは、脳梗塞脳卒中といった脳疾患についても無関係とはいえません。
 
東京医科歯科大学歯学部の石川烈教授と同大学医学部血管外科の共同研究でも、大動脈瘤動脈硬化など患者69人を対象に、唾液と歯周ポケット、血管の詰まった場所から細胞を採取して、そのDNAを調べたところ、なんと血管のサンプルから歯周病菌の1つであるポルフィロモナス・ジンジバリスを高率で発見したと報告しています。
歯周病菌が大動脈瘤にいたというのは、衝撃的です。
 
口腔内細菌が増殖すると血管を通じて、全身のあらゆる臓器に広がっていくのです。
そして、敗血症や動脈硬化。心疾患、IgA人症、リウマチ、ベーチェット病、糖尿病といった様々な病気の発症や悪化に影響を及ぼします。
 
口腔内細菌は虫歯や歯周病などを起こす悪玉だけがいるわけではなく、日和見菌といって日ごろは人間に悪さすることなく共存している菌も数多くいます。
しかし、日和見菌だけに悪玉菌が異常増殖を始めるとそのパワーに便乗して、悪さを手助けすることもあります。
 
のほほんと口の中に漂っている目に見えない口腔内細菌といえども、集団となると人間を死に至らしめる威力を持ちます。
だからこそ、常日ごろから口腔内細菌と闘い、優位になっておかなければならないのです。
「口の中をみれば寿命がわかる より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
 すべてのビタミンが老化と関係があります。
とくに、B類のビタミンB12、B6葉酸は生活習慣で老化を早めないために役立つ成分です。
また、老人性認知症患者の脳にはビタミンB12が不足しているという報告もされています。
 
 認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 
 体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ成分です。
 
※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!