
食事の欧米化で、子どもの血管も危ない!
日本の死亡原因の第1位は、がんです。
第2位以下には、心臓病や脳血管疾患など、「動脈硬化による病気」が並びます。
たとえば心筋梗塞で言えば、発症数は年間約15万人。
そのうち約30%の人が死亡しているとされます。
「動脈硬化による病気」の予防は、重要なテーマです。
それでは欧米の死亡原因は、いったいどうなっているのでしょう。
アメリカの死亡原因の第1位は、心臓病。
第2位が、がんです。
ほかの欧米先進諸国の死亡原因の第1位も、だいたいが心臓病です(フランスなどを除く)。
日本に比べて欧米の人々が、がんよりも心臓病になりやすい背景には、体格の違い以上に、「食生活」が大きく関係していると考えられます。
ここで特に指摘したいのは、日本の若い人や子どもの食生活問題です。
「肥満の子どもが30年間で3倍にも増えた」
「コレステロールが高い小学生は約10%」
こんな厚生労働省の発表や報告もあるほどです。
なぜなら、そのような体の状態は、将来にわたって「動脈硬化による病気」を引き起こしかねないからです。
ここでも、日本の大規模な調査研究、かの有名な久山町研究のデータを、3つご紹介しておきましょう。
1つ目は、この50年間の突然死にまつわるデータです。
次のような事実が浮き彫りになっています。
「脳卒中(脳血管疾患)による突然死が大幅に減り、心臓病による突然死が増えた傾向がある」
脳卒中が減ったのは、「血圧を低くする薬が発達したことなどが原因である」ということもわかってきています。
これは、日本人の食事のメニューに油分の多い西洋的なものが増えたことと、関係があるでしょう。
2つ目は、ここ50年間の死亡年齢にまつわるデータです。
次のようなことがわかっています。
「50年間で寿命は10歳延びた。ところが、突然死したときの年齢がこの20年間で若返っている」
そして、心臓病にかかる年齢が若くなっているのです。
3つ目は、ここ50年間の「何を食べているか」というデータです。
「久山町と国民栄養調査 食品別摂取量の推移」という調査では、50年間で米の消費量が、なんと半分になったことが、明らかになりました。
この調査は「米」「肉類」「乳製品」という3項目の推移を追ったものですが、「米」が半減している事実とは対照的に、「肉類」「乳製品」の数値が、いずれもほぼ3倍という驚異的な増え方をしています。
久山町のデータは、日本全体の傾向とほぼ重なります。
「動脈硬化による病気」が増えている原因は、「食事の変化」にあるとしか思えません。
「しなやかな血管が健康の10割 より」
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ成分です。
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