ひらめきやすい脳をつくる「観察瞑想」

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ひらめきやすい脳をつくる「観察瞑想」
 
調心のもうひとつの方法は、瞑想中の思考や感情、体の変化などを、いちいち立ち止まって吟味しないで、観察しながら受け流すというもので、こうした瞑想のことを「観察瞑想」といいます。
 
集中瞑想では、ひとつの対象に注意を集中するのに対して、観察瞑想ではわき起こる思考や感覚をそのまま観察します。
たとえば「いま、わたしは座っているな」「涼しいと感じているな」「肩のところにこりを感じているな」「外から大きな音が聞こえるな」など、頭に思い浮かんだことを、もうひとりの自分がそれを映像で見ているかのように「観察」するのです。
 
といっても、なかなかフラットに観察するのは難しいものです。
そこで観察瞑想では、頭に思い浮かんだことを脳内で実況中継するという方法がよくとられます。
つまり、声には出さないけれど、思ったことや感じたことを次々と頭のなかで実況中継していくのです。
 
自分の感覚や思考を実況中継するということは、余計な判断や思考を追い出していくことでもあります。
 
日常生活を振り返ると、食事をしているのに仕事のことを考えてしまったり、書類をまとめなければいけないのに、メールが気になったりという具合に、いま目の前にある行動に集中できず、余計なことをいろいろと考えてしまうことがしばしばあります。
これは、わき起こる感覚や思考に、自分の心が振り回されてしまっている状態です。
 
観察瞑想は、放っておけば暴走してしまう思考や感覚に振り回されるのではなく、それを客観視できるようになるためのトレーニングといってもいいでしょう。
 
この瞑想では、意識は次のようなプロセスを繰り返します。
 
思考・感覚が拡散する
思考・感覚が拡散していることに気づく
気づいた思考や感覚を観察する
 
脳には、複数の領域で構成される「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれているネットワークがあります。
 
このDMNは、過去のさまざまな感情や記憶などをつなぎ合わせるときに、重要な役割を果たしていると考えられています。
そして、特定の活動に集中しているときは活動が低下し、逆に何も考えていない「アイドリング状態」のときに活動レベルが高くなる点に特徴があります。
散歩をしているときやシャワーを浴びているときにいいアイデアがひらめいた、という話をよく聞きます。
みなさんにも経験があるでしょう。
これはDMNが活性化しているからです。
 
昨日ご紹介した集中瞑想では、意識はひとつの対象に集中しているので、DMNの活動は低いままです。
一方、観察瞑想をすると、脳はアイドリング状態に近づくので、DMNが活性化すると報告されています。
DMNが活性化すると、さまざまな過去の経験や記憶が組み合わさりやすい状態が脳内でつくられます。
つまり、アイデアや発想がひらめきやすくなるわけです。
 
観察瞑想は脳をアイドリング状態にするだけでなく、自我や感情の暴走を抑え、社会性や思いやりを司る脳の部位を活性化すると報告されています。
 
ですから、観察瞑想をおこなうと想像力や発想力が養われるだけでなく、対人関係やチーム力など、コミュニケーション能力に深くかかわる脳の領域が鍛えられることになるわけです。
「疲れない脳をつくる生活習慣 より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
また、現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
 ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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