
自分ではどうにもできない危険因子
脳卒中の危険因子には、「自分では、どうにもできないもの」もあります。
その一つが「老化」です。
「人間は血管とともに老いる」といわれます。
年をとれば、筋肉が落ち、肌にシワができます。
髪の毛も白くなったり、抜けたり。
視力も落ちますよね。
こうした“衰え”は、自分でわかります。
でも、血管の衰えはわからない。
しかし、年とともに、確実に血管も衰えていきます。
24時間、休むことなく全身に血液を送り続けている血管が、年とともに老いるのも当然のことです。
年々血管の状態が悪くなり、詰まりやすくなったり、切れやすくなったりします。
子どもの肌はスベスベしていますよね。
おじいさんやおばあさんの肌はカサカサです。
転んで足をすりむいたときも、子どもは2、3日で治るけど、年をとると傷が消えにくくなりますよね。
これはあくまでもイメージの話しですが、スベスベで弾力がある血管と、カサカサで傷つきやすい血管を比べたら、どちらが詰まったり切れたりしやすいか明白でしょう。
さらに「自分では、どうにもできない危険因子」に、「性別」「人種」「遺伝」があります。
「性別的」にいうと、脳卒中は、女性より男性のほうがなりやすい。
だからといって、女性は安心ということではありません。
50歳を過ぎる頃、閉経期を境に、脳卒中になる女性が増え始めるのです。
これは女性ホルモンの影響です。
若いうちは女性ホルモンに守られているため、女性は血管の病気を起こしにくい体になっています。
しかし、血圧もコレステロールの値も、この時期から急に上がってきます。
特に、家庭にいる女性は危ない。
健康診断を受けず、若い頃の数値をもとに安心していて、危険因子があるのを知らずに発症する人が多いのです。
子育てから開放されるこの時期は、「自分自身の人生と生き方を見つめ直すとき」なのかもしれません。
男性が会社勤めを終える60代も同じ。
それまで仕事優先、会社優先で走り続けてきたと思いますが、ゆっくりと自分の人生を考えてみる時期なのかもしれません。
「人種」については、脳卒中になる人は、世界では「6人に1人」なのに、日本では「5人に1人」の高い割合です。
これはアジア人の遺伝的な要因と、環境的な要因が関係しているのかもしれません。
ロシアや北欧の人は、ウォッカなどの強いお酒をよく飲みます。
韓国や中国の人は、塩分の多い料理をよく食べます。
そうしたものを常飲・常食する環境も、脳卒中を増やしているのではないかと考えられます。
そして「遺伝」についてです。
脳卒中は、遺伝的な要素はあるけど、一部の特殊な病気を除いて遺伝病ではないのです。
たとえば、もともと「血管が弱い」という体質はあります。
また、家族は同じ環境下で生活します。
このため、食事の好みが似たり、飲酒や喫煙の習慣がついたり、さらには、負けず嫌いでムチャしたりと、行動や考え方が似ることもあります。
そうした環境的な要因と、体質的な要因がいくつか積み重なって、家族の何人かが脳卒中になることも考えられるのです。
このように、性別や人種、遺伝的な要素は、確かに「自分では、どうにもできない」という一面があります。
でも、本当に変えられないのでしょうか?
年とともに血管が老いることは止められませんが、「老化のスピード」をゆるめることはできる。
たとえば家系的に濃い味が好きでも、塩分を控えた食事に変えることはできる。
そこに改善の余地があるのです。
また、家族に脳卒中の人がいれば、「自分はほかの人よりリスクが高い」と意識することもできます。
強く意識すれば、生活をしっかり見直したり、脳卒中の前兆に対して、より注意深く、気を付けたりするようになれると思うのです。
そこに気づけば、あなたの生活は変化し、その後の人生も変わっていくはずです。
「脳卒中にならない、負けない生き方 より」
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脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
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