遺伝的な要素が強い「くも膜下出血」

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遺伝的な要素が強い「くも膜下出血
 
 脳卒中の中で遺伝的な影響を受けやすいのは、圧倒的に「くも膜下出血」です。
 
くも膜下出血」というのは、脳の血管の一部にコブができて、そこが破裂して出血する病気です。
そのコブは動脈にできるので「動脈瘤」といいます。
「瘤」とはコブのことです。
コブといっても、それほど大きなものではありません。
イメージとしては、お餅を焼いたときに、プクッと、表面がふくれますね。
それが破裂してそこから出血するのが「くも膜下出血」です。
 
くも膜下出血は、コブが破裂して起こるので、逆にいえば、コブがない人には起こりようがありません。
そして、「脳の血管にコブができるか、できないか」は、先天的な要素が大きいのです。
つまり、もともとコブができやすいとか、生まれたときからコブができている場合が多い。
 
「コブがあるか、ないか」は、自分ではわかりません。
生まれたときから頭の中に爆弾を抱えていて、発症して初めてそれを知った、という人がほとんどです。
コブの存在を知るには、脳の検査しかありません。
 
もちろん、コブがあっても破裂しない人も多数います。
破裂するのは、やはり、血管や血液の状態が悪くなり、血管に大きな負担がかかるためです。
そして、血管の弱い部分から出血するのです。
 
脳卒中は「現代病」なのか
 
脳卒中」には、脳の血管が詰まる「脳梗塞」と脳の血管が切れる「脳出血」「くも膜下出血」があり、脳梗塞は全体の75%、脳出血くも膜下出血両方合わせて25%です。
 
かつては脳出血がもっと多かったのに、徐々に減り、脳梗塞が増えてきたのです。
 
日本人の栄養調査を見ると、摂取カロリーの総量も、糖質、たんぱく質の量も、まったく増えていない。
唯一増えているのが、脂肪の量、特に動物性脂肪です。
つまり、脳梗塞が増加した大きな原因は、「動物性脂肪」にあるといえるでしょう。
 
食生活が欧米化し、脂肪分の多い料理が増えたことによって、日本人の体質も変わってきました。
ひと昔前の日本人と最近の日本人では、体質がまったく違います。
 
実際、脳の画像を見て、「脳のどこに脳梗塞ができているのか」ということも、以前とは大きな差が見られ、間違いなく欧米型に近づいているのです。
 
血管(動脈)が硬く厚くなった状態を「動脈硬化」といいます。
昔は、脳の中の血管に見られることが圧倒的に多かったのですが、今では、頸部から脳に入っていく「頸動脈」に見られるケースが増えています。
 
実は今、コレステロールの平均値は、若い人ではアメリカ人より日本人のほうが高いのです。
そういう状態にさらされた日本人が10年後、20年後、どうなってしまうのか。
このままでは脳梗塞になる人がもますます増えてくるのではないかと、とても心配しています。
脳卒中にならない、負けない生き方 より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
 
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