脳の血管が「詰まる」「切れる」とは

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脳の血管が「詰まる」「切れる」とは
 
 脳の入り口にある頸動脈は、かなり太くて1センチ以上あります。
さらに平滑筋も血管の周囲にあるので強く、それが切れることはまず、ありません。
また、脳の表面を通っているような血管も、比較的太いので、切れません。
 
切れるのは、主幹動脈から分岐して脳の内側に伸びる「穿通枝」という細い動脈です。
 
血管は末端に行くほど細くなり、血管の壁も薄くなります。
脳出血」は主に、こうした脳の奥の血管で起こります。
 
たとえば、高血圧が長く続くと血管はダメージを受け、弱い部分が出てきます。
すると、そこがお餅を焼いたときにプクッとふくれたような状態になる。
そして、あるときにパチンと砕け、出血するのです。
 
くも膜下出血」は、生まれながらに動脈にコブ(動脈瘤)があり、そこが破裂することによって起こる場合が多いのですが、「脳出血」は細い血管に、生後高血圧によりできたコブや、弱くなったところが破けて出血するのです。
 
この細い血管が破けず、血栓ができて詰まったのが「ラクナ梗塞」です。
脳の奥の細い血管が傷んで起こる脳出血ラクナ梗塞は親戚のような関係にあり、出血になるか梗塞になるかは紙一重なのです。
 
血管はどのようにして詰まるのが
 
「アテローム血栓脳梗塞」についても、少しイメージしてみましょう。
 
「アテローム」は、日本語では「粥腫」と書きます。
文字どおり「お粥」」のようなものが血管壁の中にあり、それが血管の内側に向かって、腫瘍のようにふくらんでくるのです。
血管の内側に小さな山ができた状態です。
 
粥腫を覆う皮膜が薄くなってもろくなると、亀裂ができやすくなります。
山の頂上の部分は、つねに血液の流れにさらされています。
それがあるとき、プチッと破れる。
すると、火山が噴火してマグマが出てくるように、中から「お粥」が出てきます。
 
これを止めるために、血小板は、破れた場所(傷)に、急いでとりつきます。
そして、どんどん仲間を集めて血栓を作り、傷口を塞ごうとします。
 
この血栓が大きくなり、直接、血管を塞いでしまうこともあれば、血栓の一部がはがれて流れ、その先にある血管を詰まらせてしまうこともあります。
 
「アテローム血栓脳梗塞」は、このようにして起こるのです。
 
実は、「アテローム」ができる場所も、だいたい決まっています。
血管が分岐したり、合流したりする場所にはできやすい。
物理的な力が加わりやすいからです。
川の流れを考えてみるとよくわかりますが、分岐点は、水を強く受けることになり、そこには圧力がかかります。
分岐点は、水を強く受けることになり、そこには圧力がかかります。
また、分岐点付近では流れが変わるため、乱流が起きたり、複雑な流れになったり、あるいは水が淀んだりします。
 
血管もこれと同じで、分岐点や合流点では血の流れが複雑な状態になり、そういう場所は傷みやすいというわけです。
 
「心原性脳塞栓症」について簡単にいうと、心臓でできた大きな血栓が脳に流れてきて、太い血管を一気に詰まらせるものです。
 
「アテローム血栓脳梗塞」も「心原性脳塞栓症」も「ラクナ梗塞」も、それぞれ血管が詰まる様子や原因は違いますが、いずれもそこから先に血液が届かなくなり、神経細胞が死んでしまうことは同じです。
 
脳の奥の細い血管で詰まれば、そこから先にある多くの神経細胞が死んでしまい、症状は重くなります。
脳卒中にならない、負けない生き方 より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
 
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