「一過性脳虚血発作(TIA)」を知っているかどうかで人生が変わる

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「一過性脳虚血発作(TIA)」を知っているかどうかで人生が変わる
 
 TIAの後の“大噴火”は、2週間以内が危ないとされます。
2週間以内に、本物の脳梗塞になってしまう人が多いのです。
 
もっといえば、TIAの後、「24時間以内」がさらに危ない。
2週間以内に脳梗塞を起こした人の3割は、24時間以内に発症しているのです。
 
TIAがあったら、すぐに病院を受診する。
これこそが、皆さんに伝えたかったことなのです。
TIAを知っているかいないかで、人生が変わるのです。
 
このことを、どうかしっかりと認識してほしいと思います。
 
日本では、TIAに関する認知度が低く、一般の方は、ほとんど知らないのではないでしょうか。
医師の中には知らない人はいないはずです。
TIA脳梗塞の前兆となる病気であることを知らなければ、医師国家試験には合格しないからです。
しかしながら、「TIA発症後早期には脳梗塞を続発する危険性が非常に高く、TIAは救急疾患として扱う必要がある」という認識は、脳卒中専門医以外には非常に低いのです。
 
 また、残念ながら非専門医におけるTIAの誤診率は非常に高いのが現状です。
経験でも、一般の医師でTIAを正確に診断できたのは、2割から3割にすぎません。
 
 「脳梗塞の前兆」というと、真っ先に出てくるのが「失神(意識消失発作)」や「めまい」です。
しかし、これらの症状ではTRIAと診断できない。
失神は、TIAでは起こりません。
TIAは脳の一部の血流が途絶えた場合に起こりますが、失神は脳全体の血流が低下しないと起こらないからです。
 
 脳全体の血流が低下するのは、血液を脳に供給している心臓に原因がある場合です。
ですから、失神を起こした人は神経内科を受診する前に、循環器内科を受診する必要があります。
 
 また、確かに「めまい」だけでも、脳卒中の危険因子を持っていたり、実際に隠れ脳梗塞や頸動脈狭窄があったりした場合には、TIAの可能性を考える必要があります。
しかし、多くのめまいは耳鼻科疾患に起因しています。
 
 オシム元監督も、体験談の中で「首の後ろの血管に問題があってときどきめまいがした。クラクラすることがあったが、自分で、大丈夫だ、少し休んで水を飲んで、頭を振ればすぐに治る、と軽く考えていた」と、「血管に問題があることを自覚しています。
 
 もしも「めまいもあり、TIAの症状もある」というなら、それは間違いなく脳梗塞の前兆です。
オシム元監督も「軽く考えていた」と言っていましたが、脳梗塞で倒れる前のどこかの時点で、TIAの症状があったのかもしれません。
 
 脳梗塞の明らかな前兆は、TIAだけです。
 
 左右のどちらか片側の「手足が動かない」「手足がしびれる」「片側の目が見えない」、あるいは「視野の半分が欠ける」「言葉が出ない、理解できない」という症状が突然現れ、短時間で消えるのがTIAの特徴です。
 
 これらのエピソードがあったら、症状が消えたとしても、すぐに救急車を呼んで構いません。
脳卒中にならない、負けない生き方 より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
 
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