酪酸を増やして老けない腸を手に入れる

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酪酸を増やして老けない腸を手に入れる
 
腸内細菌が活発に働き、腸内バランスがいいときは、腸粘膜もいい状態です。
ところが、腸内バランスが崩れ、悪玉菌が毒素ばかり出すようになると、腸粘膜に傷がつき、それがまた免疫細胞を刺激して、腸粘膜を攻撃するという悪循環に陥ります。
この免疫細胞は炎症性のTh17細胞で、普段は病原菌への感染を防ぐ働きをするのですが、悪循環に陥ると自分の細胞まで傷つけてしまうのです。
このように、慢性的に生じている軽い炎症状態を「炎症(インフラメーション)」と「老化(エイジング)」を合わせて「インフラメイジング」と呼びます。
これは、加齢とともに増加するがんや動脈硬化、肥満、アルツハイマーなどを引き起こす原因のひとつとして考えられています。
 
このとき、傷ついた腸粘膜のリア機能を回復してくれるのは、やはり腸内細菌だというのですから、本当に腸内細菌の世界はうまくできています。
その腸内細菌とは「酪酸合成菌」です。
腸内にあるビフィズス菌は「酢酸」を作りますが、酪酸合成菌はこの酢酸を使って酵素の力で「酪酸」を作り、これが腸粘膜を修復してくれるのです。
 
酪酸は炎症性のTh17細胞によるインフラメイジングに対抗し、炎症を抑えるTreg細胞(制御性T細胞)という免疫細胞を活性化する働きや、炎症により傷ついた腸の細胞や粘膜を修復する働き、腸を刺激してぜん動運動をサポートする働きあります。
さらに食欲のコントロールにも役立ちます。
 
では、酪酸合成菌に活発に働いてもらい、酪酸をたくさん作ってもらうにはどうしたらいいでしょうか。
酪酸合成菌の原料である酢酸と、レジスタントスターチ(難消化でんぷん)食べ物からとるという方法があります。
酢酸はビフィズス菌酵素から作られるので、納豆やキムチなどの発酵食品や、オリゴ糖を含む食品が適しています。
レジスタントスターチを含む食材としては、豆類、青みがかったバナナ、米、小麦、そば、いもなどがあります。
米は炊きたての温かいご飯よりも、常温のご飯のほうがレジスタントスターチが増えることから、疲れた腸には冷めたおにぎりがおすすめです。
 
 腸の老化を引き起こすインフラメイジングを防ぐためにも、腸内に酪酸を増やす食生活が重要です。
腸のアンチエイジングを心がけることが、健康的な美を手に入れる一番の近道なのです。
 
レジスタントスターチの毎日の取り入れ方
 
ご飯は冷蔵庫で冷やしたほうがいい?
 レジスタントスターチが増える温度は4~5℃です。効果的にとり入れるなら、炊きたてのご飯の荒熱をとって、ラップをかけ冷蔵庫で冷やすのがおすすめ。急速に冷やすのはNG。
 
甘いようかんやおはぎも太らない?
 豆類にもレジスタントスターチが豊富に含まれています。ようかんやおはぎの原料として使われているあずきもそのひとつ。ただし、おはぎの場合、もち米には効果が望めません。
 
冷や汁かけご飯(具材はあじやさばで変化をつけて。)
・寿司
・おにぎり
・冷静スープご飯(トマトスープやチキンスープなどにご飯を入れるだけ。肉や野菜をトッピングすると◎。)
・ライスサラダ
・冷やし茶漬け
・いなり寿司(ご飯に枝豆や紅しょうがを混ぜてもおいしい。)
・冷やしわかめうどん(水溶性食物繊維の多いわかめを入れてさらに効果的に。)
・ざるそば(納豆やなめこ、山いもなどを日替わりでトッピングすれば相乗効果も。)
・冷静パスタ(トマトや生ハムなど、いろんな具材と相性も抜群。)
・そうめん(ゆで時間が短く、常備しておくと便利。)
・ポテトサラダ(作りおきしておくと便利。)
・マカロニサラダ(作りおきおかずの定番。カレー味やケチャップ味にしてもおいしい。)
・おはぎ(レジスタントスターチが豊富に含まれるあずき。)
・さつまいものレモン煮(常備菜にもおやつにも◎。)
・枝豆(レジスタントスターチが豊富。そのままでもご飯に混ぜても。)
・コーンフレーク(豆乳で。ナッツ類やヨーグルトの他、えごま油などの良質な油をかけても。)
・ようかん(あずきを使用しているので、小腹がすいたら食べたい一品。)
「腸で酵素をつくる習慣 より」
 
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各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
 
それぞれの栄養素のよい点を最大限に引き出すためには、多種類の栄養素をバランスよく摂取することが非常に重要です。
そのためには、食品を組み合わせて食べることが一番の早道。
ひとつの食品には多くの栄養素が含まれるので、組み合わせる食品の数を増やせば増やすほど、一度に多種類の栄養素をとることができます。
食事のバランスは効率のよい栄養素の摂取に直結しているのです。
 
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として新しく注目されているホモシステインが増えるといわれています。
主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
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