脳の「エピソード記憶」を呼び覚まそう

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脳の「エピソード記憶」を呼び覚まそう
 
どうすれば海馬の萎縮を防げるか、あるいは体積を増やして健康な状態を保てるか。
 
これには、日常の運動、食事、睡眠、コミュニケーションなどさまざまな方法があります。
あるいはストレスの軽減も欠かせません。
そしてもう一つ、重要なのはエピソード記憶を増やすこと、つまりふだんからいろいろな経験をして、脳をよく使うことです。
 
以前、NHKのある番組で認知症をとりあげていたことがあります。
そこでたいへん印象的だったのは、認知症を患った高齢の方とその娘さんが交換日記を始めたところ、症状が目に見えて改善したというお話です。
 
これは、2つの意味で認知症ケアの本質を突いています。
 
一つは言うまでもなく、コミュニケーションが脳の刺激になるということ。
そして、もう一つは、日記という性格上、昔のさまざまな感情や記憶を呼び起こすトレーニングになるということです。
 
認知症を患っても、あるところまで心の内面は保たれていることも多いと言われています。
それを引き出すことが、症状の進行を遅らせることにつながるのです。
 
特に感情とセットになった記憶を呼び起こせば、より効果的だと思います。
例えば好きだった音楽、食べもの、旅行で訪れた場所、出会った人などを思い出せば、当時の感情も思い出します。
 
これが「エピソード記憶」であり、その質と量が豊かであるほど脳は活性化するのです。
 
これは認知症の方にかぎった話ではありません。
若いうちからエピソード記憶を増やすことも重要ですが、ある程度年齢を重ねた方なら、エピソード記憶を呼び起こすように行動してみるのもいいかもしれません。
 
日記とまではいかなくても、例えば若いころによく聞いた音楽を聴き直すとか、本や映画をもう一度見るとか、アルバムを開いてみるとか、方法はいろいろあると思います。
それによって当時の感情まで鮮明に蘇れば、脳はまだ元気な証拠です。
 
こういう行動をとると、周囲からは「懐古趣味」とか「すっかり老け込んだ」などと見られるかもしれません。
しかし、むしろ老け込まないよう海馬の機能を維持するための有効な手段なのです。
 
それにエピソード記憶は、実際がどうだったにせよ、「苦い思い出」になりにくいものです。
脳の防衛本能として、ネガティブな記憶は基本的に忘れやすいからです。
もちろん、たいへん辛い記憶があれば、そう簡単には忘れないでしょう。
しかし一般論としては、いいことばかり思い出しやすい。
あるいは悪いことも美化されやすいのです。
 
例えば小学生や中学生のころ、「勉強したくない」「宿題を出さずに先生に怒られた」「友人とケンカした」等々、誰でも嫌だと思うことはたくさんあったと思います。
しかし今になって振り返ってみると、決してその一つひとつがネガティブな感情とセットではなく、むしろ懐かしい思い出に変わっているのではないでしょうか。
エピソード記憶とは、そういうものです。
 
そこで、もう少し時間的な余裕があるなら、「自分史」のようなものを書いてみるのもいいかもしれません。
ある程度年齢を重ねると、自分のルーツを知りたくなるものです。
あるいは自分の両親が若かりしころ、どんな生活をして何を考えていたのか、だんだん興味が湧いてきたりします。
 
それを思い出したり、“取材”したりして書き留めてみると、楽しいうえに脳の健康にも役立ちます。
また年老いた両親とそういう話ができれば、まさにエピソード記憶を呼び起こすことになります。
両親の認知症予防にもなるでしょう。
「本当は脳に悪い習慣、やっぱり脳にいい習慣 より」
 
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老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、タンパク(アミロイドβタンパク)と核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若返りにもつながることにもなります。
 
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に大切な栄養素です。
 
 さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
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