うつは、誰でもかかり得るもの

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うつは、誰でもかかり得るもの
 
一般に「うつ」と言うと、恐ろしい病気というイメージがあるようです。
たしかに休職せざるを得なくなったり、場合によって自ら命を絶とうとしたりすることもある。
しかしそれは、病状がかなり進行した状態です。
 
実は、うつはもっと“身近”な病気です。
有病率はおよそ3%、つまり100人のうち3人はかかるわけです。
さながら風邪ようなもので、かかったとしても過度に恐れる必要はない。
「誰だってかかるものだ」「仕方がない」と開き直っていればいいのです。
 
それに、決して不治の病ではありません。
認知症などより、ずっと直りやすいのです。
いい薬もあるし、できるだけ規則正しい生活をして、十分な睡眠をとり、運動の習慣をつければ、改善に向かうことも多いのです。
有名人や芸能人でも、うつから立ち直って活躍されている方はたくさんいるでしょう。
 
むしろ問題なのは、「うつになったら人生が変わる」「周囲にうつだと悟られてはいけない」などと思い込み、自分自身にプレッシャーをかけてしまうことです。
これでは、かえって治りにくくなるだけ、それほど深刻に捉える必要はない、とぜひ知っておいていただきたいと思います。
 
なお、うつを予防するうえでとりわけ重要なのが、できるだけ太陽の光を浴びることです。
冬の日本海側や北欧で自殺率が高いのは、日照時間の短さが原因とされています。
自然現象はどうしようもありませんが、日照時間が短いなら、せめて室内の照明を明るくしたほうがいいとも言われています。
 
余談ながら、ここにはちょっとしたパラドックスがあります。
うつのリスクを回避するために日照時間の長さを求めるなら、人類はもっと赤道直下に集まってもいいはずです。
そこに大都市が生まれ、世界の経済・政治をリードしても不思議ではありません。
その地で何らかの激務に就いたとしても、職業性のうつは大幅に減るでしょう。
 
ところが現実には、ニューヨークにしろ、ロンドンにしろ、東京にしろ、“常夏”ではありません。
寒冷地とまで言わないまでも、冬には雪が降り、ときには寒波に見舞われて日光が遮断されます。
 
なぜ人類は、人の集積地としてそういう場初を選んだのか。
うつになりにくいことを上回る、どういうメリットがあるのか。
考えてみれば不思議な話です。
もっとも、あまりに温暖だと、かえって仕事をする気になれないのかもしれませんが。
 
パラドックス(paradox)は、ギリシャ語のparadoxaからきています。
日本語に訳すと「逆説」となります。
一見真理に反するようだが、よく考えると一種の真理を表していることや、逆に一見正しくないようで実際には真理をついている様子を意味します。
ある命題から正当な道筋を通って導き出されたように見えるのに、実は結論で矛盾をはらんでいる、という意味もあります。
「本当は脳に悪い習慣、やっぱり脳にいい習慣 より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
神経伝達物質の材料になる成分を補うことが大切です。
 
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
 ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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