「オンリーワン志向」が脳を刺激する

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「オンリーワン志向」が脳を刺激する
 
知的好奇心とは、例えば日常の仕事にも関係しています。
世界に一つだけの花」の歌詞ではありませんが、今やどんな世界でも「ナンバーワン」より「オンリーワン」が求められていると思います。
それを目指すことが、好奇心を刺激し、結果的に脳の健康を保つことにもつながるのではないでしょうか。
 
認知症の研究は国内外の多くの研究者によって行われていますが、研究対象としているのはほぼ例外なく高齢者の脳です。
一方、子どもの脳を対象とする研究も行われていますが、認知症と結びつけた例は未だ聞いたことがありません。
 
約10年をかけてこの二つの研究を結びつけました。
つまり、認知症研究のために子どもの脳も研究対象にしたのです。
一見すると無関係のように思われますが、実は脳の発達と脳の加齢とは表裏一体の関係なのです。
 
人間の脳は生まれるとともに原始的なところから発達し、20歳前の段階で成熟します。
その後は少しずつ壊れていくわけですが、見方を変えれば認知症へ少しずつ近づいていくことでもあります。
 
だから、高齢になってから認知症対策を始めるのではなく、子どものころは脳の成長を促し、成人後は脳の状態を維持する工夫が必要だと考えています。
全世代を通じて、それぞれやるべきことがあるというのが基本的なスタンスです。
 
こういう意識が必要なのは、研究の世界だけではないでしょう。
常に「人(他社)と違うこと」が求められているはずです。
それが社会のニーズを掘り起こし、誰かの役に立つかもしれません。
それもゼロから新しいものをつくり上げるというより、既存のものの橋渡しにこそヒントがある。
そう考えれば、「オンリーワン」の余地はまだまだあると思います。
 
あるいは組織内の役割分担でも、「自分にしかできないこと」を追求すれば、きっと周囲から一目置かれるはずです。
その信頼に応えるべく、スキルにより磨きをかけるという好循環が生まれるのではないでしょうか。
 
ポイントは、チャレンジ精神を持ちながら、ものごとを俯瞰的に見ることでしょう。
見聞きするあらゆるものを取り込んで、結びつけて考えてみるわけです。
「自分には関係ない」と最初からはじいてしまってはもったいない。
そこに大きな発見があるかもしれないからです。
 
ある種の“職業病”かもしれませんが、例えば遺伝子や循環器系などの学会発表を読んでも、子どもにまつわる話を聞いても、あるいは日々のニュースを見ても、つい脳の研究と結びつけてみたくなります。
そうすると、何らかの発見があるものです。
 
 要は、どれだけ意識するか、ということだと思います。
それまで何となく聞き流していた情報を、すべて自分のフィルターに通していくとなると、それなりに大変です。
しかし、しばらく継続してみると、やがて大変さより好奇心が勝るようになります。
単に仕事に役立つだけではなく、そこにやりがいも感じられるし、ますます興味の幅を広げることにもなる。
それが、脳を若く保つことにもつながるのです。
「本当は脳に悪い習慣、やっぱり脳にいい習慣 より」
 
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「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?
顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。
それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。
 
わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。
動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
 ビタミンB12には、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きがあります。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
もしビタミンB群のビタミンB12や葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
 
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
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