アミロイドβがたまってもへっちゃらな人のヒミツ

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アミロイドβがたまってもへっちゃらな人のヒミツ
 
人間の脳がどうして老化するのか、その本当の理由をご存知でしょうか。
 
脳細胞の数が減るから?
脳内にアミロイドβがたまるから?
 
残念ながら、両方とも不正解。
 
正解は“脳のつながりが悪くなるから”です。
 
これについて、ちょっと解説を加えておくことにしましょう。
 
まず、「脳細胞数の減少」について。
 
脳細胞数は、加齢とともに自然なかたちで減少する分にはまったく問題ありません。
 
脳には、約1000億個の神経細胞があるのです。
よく「脳細胞の数は20歳を過ぎると1日10万個のペースで減少する」と言われますが、たとえ毎日それだけ減少したとしても、脳細胞の全体からすればほんのわずかな数です。
こういう自然な減少では、脳機能にほとんど支障はありません。
アルツハイマー認知症になると、病的にごっそりと細胞が減少してしまうのですが、そうでない限り、脳細胞数の減少に関しては心配する必要はないでしょう。
 
次に「アミロイドβの蓄積」について。
 
よく知られるように、アミロイドβは、アルツハイマー認知症をもたらす原因物質のひとつです。
実際、アルツハイマー認知症を発症した方々の脳内には多くのアミロイドβが沈着していることが確認されています。
 
ただ、アミロイドβは高齢になってからいきなりどっとたまるわけではありません。
30代・40代あたりから何十年もかけて少しずつじわじわとたまっていくものなのです。
 
アミロイドβは脳内の“生活ゴミ”のような存在であり、長く生きていれば否応なく発生してくるもの。
中高年になれば誰でも多少はアミロイドβという“生活ゴミ”を抱えているのです。
もちろん、あまりたまってほしくない存在であることは確かなのですが、そうは言ってもある程度たまってしまうのは仕方がありません。
ですから、加齢とともにアミロイドβが蓄積するのをそんなに過度に恐れる必要はないのです。
 
それに、何を隠そう、たとえ脳細胞の数が減少したりアミロイドβが蓄積したりしても、“脳のつながり”さえしっかり保たれていれば、脳の老化を防ぐことができるのです。
 
ここでカギになるのは、脳細胞と脳細胞を結びつけている“つながりの強さ”です。
 
先に述べたように、脳の神経細胞ネットワークは、1000億個という細胞のひとつひとつがシナプスでつながり合って構成されています。
言わば、1000億個の細胞それぞれがシナプスという手を伸ばし合い、手と手をつなぎ合って、脳回路という道路網を築いているわけです。
 
そして、たとえ脳細胞の数が少なくなってきたとしても、脳細胞同士のつながりが強ければ、脳機能が健全に保たれることがわかっているのです。
これを会社にたとえるなら、社員の数が少なくても、社員同士の絆やつながりが強ければ立派な業績を上げていけるようなもの。
脳細胞同士が手を携えて団結し、しっかりつながり合って仕事をすれば、多少数か減ってきたとしても、問題なく脳機能を維持することができるわけです。
 
また、たとえアミロイドβがたまってきたとしても、脳細胞同士のつながりが強く保たれていれば、アルツハイマー認知症の症状が現れないこともわかっています。
中には「アミロイドβがたまると、もう認知症になるしかないんだ」と思っている方も多いかもしれませんが、
必ずしもそうとは限らないのです。
 
 つまり、認知症を発症するかしないかの分かれ目は、アミロイドβの量ではなく、“脳のつながりがどれだけ強いか”にかかっているのだということ。
もっと言えば、脳の老化や衰えを防ぐカギは、すべて“脳のつながり”にあると言ってもいいのです。
 
 脳のつながりさえしっかりしていれば、「脳細胞の減少」も「アミロイドβの蓄積」も恐るるに足らず。
脳細胞同士が強くつながり合っていて、アクセスのいい頑丈な道路網を築けている人は、脳の老化や衰えを最小限にとどめることができ、年をとっても脳機能を良好に維持していけるのです。
要するに、いつまでもボケないでいられるわけです。
 
 細胞と細胞がしっかりつながった強固な道路網を築いて、「アミロイドβなんかたまってもへっちゃらさ」というくらいの丈夫な脳をつくっていきましょう。
「脳の老化を99%遅らせる方法 より」
 
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脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
ビタミンB12は、シナプス形成に重要な栄養成分です。
 
また、認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質が増えるといわれています。
 
認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、タンパク合成と核酸(DNA)合成の両方に深く関わっています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
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