日々の生活習慣を整える
よくご存じのように、生活習慣病は一朝一夕に起こるわけではなく、長年にわたる“悪い生活習慣”の積み重ねで少しずつ進行していくもの。
糖尿病になると脳内のインスリン分解酵素が少なくなるのですが、この酵素は認知症の原因物質とされるアミロイドβも分解しているので、糖尿病になると脳内のアミロイドβが増えて、アルツハイマー型認知症のリスクが高まってしまうのです。
さらに、先ほど挙げた4つの疾患は、いずれも脳血管を障害することにつながります。
糖尿病になると、全身の血管がもろくなって脳血管にも大きなダメージを与えますし、高血圧になれば、もろくなった血管に圧がかかって血管壁をさかんに傷つけてしまいます。
つまり、人間が脳の機能を保つには、絶対に脳血管を弱らせてしまってはダメなのです。
ただ、その後の数百万年の間に人類は飛躍的に進化を遂げ、脳重量をおよそ3~4倍にまで増やして多くの文明をつくり出すようになりました。
つまり、人類は、どんでもないスピードで劇的に巨大化した脳に血液を供給するための血管を、かなりの突貫工事でつくらざるを得なかったのです。
これにより、人間は、脳に運ばれる莫大な血液量に比して、相対的にもろい脳血管を持つという宿命を抱えてしまいました。
ですから、若いうちから脳血管を弱らせないように、日々、食事、運動、睡眠などの生活習慣をしっかり整えて、“脳血管を弱らせる病気”にならないように注意しなくてはなりません。
そうすることによって末永く脳の機能を健康に保ち、“脳血管がもろい”という宿命を跳ね返していかなくてはならないのです。
日々よりよく脳を使っていきましょう。
そして、いくつになっても脳が健やかに成長するいい流れをつくっていきましょう。
「脳の老化を99%遅らせる方法 より」
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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのがの基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12は、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は補った方が良いとされています。
ただし、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある発酵食品には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
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