疲労感なき疲労が過労死に導く

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疲労感なき疲労が過労死に導く
 
 活発な活動を続けていると、疲労を感じた脳は活動に対してブレーキをかけようとします。
疲労感は、傷みや発熱と並ぶ、心身の危険を察知して避けるための「生体アラーム」なのです。
 
ところが、疲労が溜まっているのに疲労感がなく、疲労の蓄積が心身に大きなダメージを与えることがあります。
これを「疲労感なき疲労」、または「隠れ疲労」と呼びます。
その行き着く先こそが、「過労死」です。
 
過労死とは、長時間の業務、残業などによる過労から心臓病や脳卒中で突然死したり、過労が原因で自殺をしたりすることを言います。
日本で多発しており、世界的には「KAROSHI」という単語が通用しています。
 
過労死の背景には、経済事情や働く人を守る法律や制度などの不備があり、残業を長期にわたって強要され、過労死する不幸な例もあります。
 
一方、仕事にやりがいを感じて忙しく働いているビジネスパーソンが突然死する例もあります。
「抗疲労プロジェクト」の調査でも、日ごろから仕事にやりがいや達成感がある、上司や同僚からの賞賛、昇進といった報酬が期待できて、楽しく仕事をしているときにこそ、疲労が起こりやすくなっていることがわかっています。
その背景にあるのが、疲労が溜まっているのに疲労感がない「疲労感なき疲労」であり、「隠れ疲労」です。
 
 本当は脳が疲れているのに、生体アラームである疲労感がないのは、ヒトの大脳の前頭葉が発達しすぎているためと考えられます。
前頭葉は、「意欲と達成感の中枢」です。
仕事のやりがいや達成感があるときは、前頭葉に快楽をもたらすエンドルフィンなどが分泌されています。
こうした快楽物質が疲労感を認識させないのです。
 
 ヒトは、ほかの生物と比べて前頭葉が発達し、これまで進歩、発展してきました。
一方で前頭葉は、目的を達成するために、生体としてのアラートを認識させない力をも身につけることになりました。
 
 ヒトのように前頭葉が発達していないほかの動物は、危険を知らせる生体アラームである疲労感に忠実に行動します。
野生のライオンは、獲物を追いかけているうちに疲労感が出たら、それ以上の深追いをストップして疲労回復に努めます。
ペットの犬でも、散歩の途中で疲れたらへたり込んで動かなくなることがあるでしょう。
 
 そんな犬でもお仕置きをされたら、疲れていてもいやいや散歩を続けるかもしれません。
このように、「できなかったら罰を与える」ことを行動心理学では、「負の強化」と呼びます。
この場合の「強化」とは、特定の行動が増えることを言います。
 
 「負の強化」に対し「できたらほうびを与える」ことを「正の強化」と言います。
犬に「おすわり」を教えるときに、エサを与えながら仕込んでいくのが正の強化にあたります。
 
 ビジネスパーソンが、達成感、やりがい、賞賛、昇進を糧に頑張ろうとするのは、正の強化の一種です。
つまり、前頭葉が発達しているヒトの場合は、正の強化に飼いならされることが疲労を呼ぶことになります。
野生動物のように、疲れのサインを見逃さないこと、疲れを覚えたらすぐにその場で休息をとる習慣こそが、ヒトにおける疲労予防の最大のポイントであるといえるのです。
「すべての疲労は脳が原因2 より」
 
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 寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
 
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
そして、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として新しく注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12は主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
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