
国民の多くが栄養不足だった時代は、たくさん食べて栄養を補うことが優先されてきました。
そのように「量」ばかりを重視していた時代から、科学的に効果が確認されている成分を厳選してとる「質」を重視する時代へと変わりつつあります。
その結果、疲労回復にいちばん効果があるというエビデンス(科学的実証)が得られたのが、イミダゾールジペプチド(以下、イミダペプチド)という成分でした。
ペプチドとは、アミノ酸が複数連なった成分の総称です。
血液脳関門は、危険物をブロックして、脳が必要とする成分だけを通す関所のような役割を果たしています。
しかし、脳、なかでも自律神経の中枢であるコントロールセンター部分にはヒスチジンとβ-アラニンをイミダペプチドに再合成する酵素が備わっており、再合成されたイミダペプチドがそこで抗酸化作用を発揮して、自律神経の疲労回復につながることが明らかになっています。
これは、脳の疲労をピンポイントでとるために備わった、防御システムとも言えます。
「すべての疲労は脳が原因2 より」
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血液脳関門とは
「薬物の血中から脳内への移行を制限する機能。
……水溶性の高い物質あるいはタンパク質などの大きな分子はこの関門を通過し難いが、脳毛細血管に発現している多くのトランスポーターによって、栄養素(グルコース、アミノ酸、ヌクレオチドなど)は選択的に血液脳関門を通過する。
……内皮細胞内に入った毒物・薬物を血中へ戻すことにより脳内への侵入を妨げていることが知られている。」(日本薬学サイトより)
脳は脂肪成分が多く、その量は60%とも言われています。
脳の中身を考えても血液脳関門を水溶性の高い物質が通過しにくいということがわかるのではないでしょうか。
さらに、血液脳関門を通過できるということは、脳にとって栄養となる重要な意味を持つ物質と考えられるでしょう。
ビタミンB12は水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造を持っています。
脳はタンパク質とともに脂肪成分を多く含む器官です。
そのためビタミンB12は血液脳関門を通過できるという特徴を持った貴重な栄養素なのです。
ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
現在、ビタミンB12は神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調はもちろん、中枢神経の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
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