疲労回復の鍵を握る成分イミダペプチド

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疲労回復の鍵を握る成分イミダペプチド
 
 国民の多くが栄養不足だった時代は、たくさん食べて栄養を補うことが優先されてきました。
そのように「量」ばかりを重視していた時代から、科学的に効果が確認されている成分を厳選してとる「質」を重視する時代へと変わりつつあります。
 
疲労回復に関しても、「抗疲労プロジェクト」によって、疲労回復に効く成分を探し出す試みが行われました。
その結果、疲労回復にいちばん効果があるというエビデンス(科学的実証)が得られたのが、イミダゾールジペプチド(以下、イミダペプチド)という成分でした。
イミダペプチドには優れた抗酸化作用があり、活性酸素による酸化ストレスから引き起こされる疲労を軽くする効果があると確かめられたのです。
 
ペプチドとは、アミノ酸が複数連なった成分の総称です。
摂取したイミダペプチドは、体内に吸収されてから「ヒスチジン」と「β-アラニン」という2種類のアミノ酸に分解されて血液中に入り、体内を巡ります。
 
ヒスチジンとβ-アラニンは血液で脳まで運ばれます。
脳内に張り巡らされた血管の内側には、血管内皮細胞からなる「血液脳関門(Blood Brain Barrier:BBB)があります。
血液脳関門は、危険物をブロックして、脳が必要とする成分だけを通す関所のような役割を果たしています。
ヒスチジンとβ-アラニンはこの血液脳関門を通過して脳内に入ります。
アミノ酸が連なったペプチド状態、つまりイミダペプチドのままでは血液脳関門を通れないのですが、ヒスチジンとβ-アラニンにわかれていれば通れるのです。
 
ヒスチジンとβ-アラニンには、それぞれ単独では抗疲労効果はありません。
しかし、脳、なかでも自律神経の中枢であるコントロールセンター部分にはヒスチジンとβ-アラニンをイミダペプチドに再合成する酵素が備わっており、再合成されたイミダペプチドがそこで抗酸化作用を発揮して、自律神経の疲労回復につながることが明らかになっています。
これは、脳の疲労をピンポイントでとるために備わった、防御システムとも言えます。
 
脳のほかには、運動時に活性酸素が発生し、酸化ストレスを受けて疲れやすい筋肉(骨格筋)にも、ヒスチジンとβ-アラニンをイミダペプチドに再合成する酵素が備わっており、抗酸化作用で疲労を防止しています。
 
では、一体どれくらいのイミダペプチドをとれば、酸化ストレスによる疲労を防ぐことができるのでしょうか。
 
「抗疲労プロジェクト」の研究結果、1日200mg(0.2g)イミダペプチドを最低2週間ほどとり続けると、脳内で持続的に酸化ストレスを減らして、抗疲労効果が現われることが明らかになりました。
「すべての疲労は脳が原因2 より」
 
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「薬物の血中から脳内への移行を制限する機能。
アミノ酸グルコースなどの神経活動のエネルギー源となる栄養素は脳内に選択的に輸送されるが、多くの物質は脳内に自由に入るわけではない。
……水溶性の高い物質あるいはタンパク質などの大きな分子はこの関門を通過し難いが、脳毛細血管に発現している多くのトランスポーターによって、栄養素(グルコースアミノ酸ヌクレオチドなど)は選択的に血液脳関門を通過する。
……内皮細胞内に入った毒物・薬物を血中へ戻すことにより脳内への侵入を妨げていることが知られている。」(日本薬学サイトより)
 
脳は脂肪成分が多く、その量は60%とも言われています。
脳の中身を考えても血液脳関門を水溶性の高い物質が通過しにくいということがわかるのではないでしょうか。
さらに、血液脳関門を通過できるということは、脳にとって栄養となる重要な意味を持つ物質と考えられるでしょう。
 
 ビタミンB12は水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造を持っています。
脳はタンパク質とともに脂肪成分を多く含む器官です。
そのためビタミンB12は血液脳関門を通過できるという特徴を持った貴重な栄養素なのです。
 
 ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
 現在、ビタミンB12は神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調はもちろん、中枢神経の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
 
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