
集中力を高めると疲労が溜まる
デスクワークに飽きてくると、忙しいときはとくに、「飽きている場合じゃない。集中力を高めて乗り切ろう」と気合を入れようとしませんか。
しかし、疲労医学の観点からすると、それは大きな間違いです。
「飽きた」とは脳が疲労を感じているサインです。
ここでは、同じ作業に集中すると脳ではどんな変化が起こっているのかをみてみましょう。
「飽きた」というのは、「ここばかり使わずに、ほかのネットワークを使ってよ。もう疲れた」という大脳のメッセージです。
その理由は、神経細胞の次のような性質によります。
神経ネットワークは電気で信号をやりとりしています。
「閾値」とは、興奮を起こすのに必要な最小限の刺激の大きさのことです。
スイッチが鈍感になるとイメージしてください。
これでは情報処理が円滑に進まなくなり、ほかのネットワークのパフォーマンスも低下します。
こうして大脳全体が疲れ、またそれを補うために自律神経が異常な緊張状態となり、やがて、頭が重くなる、目がしょぼしょぼする、肩がこるなどの症状も現れます。
電気的な刺激がしばらく届かないように放置する、つまり完全休養しないと復活しないのです。
デスクワーク中、2時間ごとに30分休憩を入れて同じ作業を続けた場合と、20分ごとに5分の休憩を入れた場合を比較してみましょう。
作業をする合計時間も同じですが、20分ごとに休憩を入れたほうが「閾値」の上がり具合が小さく、脳の情報処理能力の低下が抑えられるため、疲れ具合はかなり軽減されます。
2時間連続して仕事を続けた場合は、「閾値」が上がり、30分程度の休息をとっても作業効率の低下を抑えるほどの回復は期待できません。
そのため、飽きたと思ったらすぐさま休む、また、あらかじめ、「飽きる」ということを前提に作業の計画を立て、「飽きた」と感じる前に小刻みに休息をはさんで別の作業に切り替えるようにします。
それが疲労を避ける方法であると同時に、作業効率を上げるポイントになります。
「すべての疲労は脳が原因2 より」
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この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
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