立ち上がって歩くだけでも疲労回復に有効である

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立ち上がって歩くだけでも疲労回復に有効である
 
 デスクワーク、会議、ドライブなどを長時間続けると、疲労感を覚えます。
実際、映画館で映画をじっと見ているだけで脳も体も激しく使っているわけではないのに、2時間もすると疲れたと感じることが多いと思います。
なぜこうも疲れるのか、と疑問に思いながらも放置している人は多いのではないでしょうか。
その疲れの理由は、同じ場所でじっと同じ姿勢を続けているから」なのです。
実はこの状態は、脳疲労が溜まりやすいことがわかっています。
 
オフィス、会議室、自動車、映画館といった空間は密閉されており、空調や気温、光、においなどの環境は一定に保たれて、屋外で感じるような「ゆらぎ」はありません。
 
まず、そのような空間は、疲労をもたらすことがわかっています。
 
次に、デスクワークやドライブで、座っている時間が長いときにも疲労します。
座った姿勢では、足の付け根の股関節が直角に近い状態で曲がり、血管とリンパ管が圧迫されて循環が抑えられます。
すると、疲労物質FFの元となる老廃物の排出が進まなくなるので、疲労疲労感も抜けにくくなります。
 
これを避けるには、座りっぱなしはなく、とくに少しでも「飽きた」と感じたら、できるだけ早めに立ち上がってください。
これだけで血管とリンパ管の循環が改善されます。
そして、壁や机に手をついて体を支えながら足を前後左右に振る、背中や腕を伸ばす、やけんこう骨、手首、足首を回すつま先立ちをしてふくらはぎに少々の圧を加えるなどを繰り返しましょう。
ドライブや映画館などで立ち上がれない場合は、座ったままでも30分おきぐらいには腰と足を伸ばし、また足を上下に動かすなどして血流を促しましょう。
 
この疲労回復法は、長時間の飛行機のフライトで発症することが多い「エコノミークラス症候群」の予防としても有効であると言えます。
エコノミークラス症候群とは、病名としては、「急性肺血栓塞栓症」「深部静脈血栓症」と言います。
長い時間座ったままの姿勢でいると、足の静脈の中に血の塊(血栓)ができることがあります。
これが歩行をきっかけに肺の動脈まで移動して閉塞させ、呼吸困難や全身の障害に進展するという恐ろしい病気です。
海外へのフライト中には注意を促すアナウンスが流れますが、エコノミークラスの狭い座席では、じっと座っているだけでも股関節は強く圧迫されています。
 
エコノミークラス症候群はフライト中だけではなく、長距離バスやトラックの運転や乗車中、さらにデスクワーク時でも起こりえます。
また、地震や台風などの災害時に、避難のため車の中で寝泊りする「車中泊」は、エコノミークラス症候群の発症で死亡事例もあり、社会問題になっています。
エコノミークラス症候群は循環器の疾患ですが、同じ場所にじっと座っていてはいけないという点では疲労対策と同じです。
 
立ち上がって運動をすると「ミルキング・アクション」と呼ぶ機能が働いて、血液循環がより活発になります。
心臓には血液を末端へと勢いよく送り出すポンプのような働きがあります。
ところが、心臓よりも低い部位を流れる血液を、吸い上げる機能はありません。
それをサポートしているのが、ふくらはぎを中心とする下半身の筋肉群による「ミルキング・アクション」です。
 
血液を心臓へ戻す静脈には、竹の節のように一定間隔ごとに弁がついています。
筋肉が収縮して静脈を圧迫すると弁が開き、血液が下から上へと送り出されます。
そして筋肉が弛緩すると弁が閉じ、血液の逆流を防いでくれます。
この繰り返しにより、バケツリレーの要領で下半身を巡っている血液は少しずつ心臓へ戻るのです。
この「ミルキング・アクション」が正しく機能していれば、疲労物質FFの代謝もスムーズに進むので、疲労が必要以上に溜まりません。
 
まず、いまいる場所から環境を変えてください。
ドライブ中なら、次に見つけたコンビニや道の駅、高速道路のサービスエリアに立ち寄りましょう。
デスクワーク中にはトイレに行く、お茶を入れに行く、コピーやファックスを部下には頼まずに自分でする、できれば5分でも屋外に出ることなどを意識してください。
会議では、議論が前に進まなくなったり、眠そうな参加者がいたら、明らかに脳が疲労している証拠です。
会議を続けても有益な話し合いは期待できません。
そうした場合は率先して10分ほどの休憩を提案して会議室から外へ出てください。
 
新幹線の車中や海外への長い飛行中の場合でも、トイレに行く、車内を歩けるときには歩く、乗車時や運転時の渋滞中は窓を開ける、信号待ちの間に危険がないように気をつけながら少しでも手足を伸ばすなどをしてください。
 
デスクワーク中にのどが渇いたときはもちろん、休憩中や立ち上がって歩いたとき、コップ1杯程度の水分補給をしましょう。
座っていると血流が低下し、腎臓で作られる尿の量も減少します。
そのため、トイレに行きたい自覚が乏しいことが多く、その結果、疲労因子FF発生の元となる老廃物が体内に蓄積します。
適度に水分を補給し、尿意がなくてもトイレにこまめに行くことも疲労防止になります。
「すべての疲労は脳が原因2 より」
 
疲労因子FF」
細胞に疲労をもたらすのは活性酸素ですが、活性酸素そのものが疲労感を起こすわけではありません。
疲労感をもたらすのは「疲労因子FF」と称されるタンパク質です。英語で疲労因子をFatigue Factorと言うので、その頭文字をとって「疲労因子FF」と呼んでいます。
疲労因子FFの存在を世界で初めて明らかにしたのは、東京慈恵会医科大学ウイルス学講座の近藤一博教授です。
 
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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB1はエネルギーの供給だけでなく、老廃物の代謝にもかかわっています。
 
B1だけではありません。
B2、ナイアシンなどのほとんどのビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
したがっていっしょにとるのが効果的です。
 
寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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