脳の神経細胞が、減少することで発症する「変性性認知症」

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脳の神経細胞が、減少することで発症する「変性性認知症
 
主な認知症の種類
 
 認知症は原因となる疾患によって、さまざまな種類があり、大きくは2つの群に分類されます。
ひとつは脳の神経細胞が異常に変化、または減少することによって発症する「変性性認知症(一次性認知症)」で、アルツハイマー認知症レビー小体型認知症パーキンソン病が引き起こす認知症、前頭側頭型認知症などがこれに当たります。
 
一方、何らかの疾患や外傷の影響を受けて発症する認知症を「二次性認知症(続発性認知症)といい、血管性認知症クロイツフェルト・ヤコブ病による認知症、正常圧水頭症による認知症、慢性硬膜下血腫による認知症などが、これに分類されます。
 
日本では、アルツハイマー認知症レビー小体型認知症、血管性認知症が3大認知症といわれており、もっとも多いのがアルツハイマー認知症です。
また、なかには2つ以上の認知症を合併してしまう混合型認知症を発症するケースもあり、いちばん頻度の多いのがアルツハイマー認知症+血管性認知症です。
 
脳の神経細胞が、減少することで発症する「変認知症
 
 変性性認知症の代表格であるアルツハイマー認知症は、アルツハイマー病が原因で起こります。
アルツハイマー病は、神経細胞の集まりである大脳皮質に変性が起こり、神経細胞が死滅、減少して、脳が萎縮していく疾患です。
脳の萎縮は広範囲にわたり、なかでも特に側頭葉や頭頂葉にが目立ち、通常1200~1400gある脳の重さ(成人)は、進行した患者さんでは1000g以下になります。
 
 そして脳が萎縮することで、その箇所の血流が低下し、さらに神経細胞間で情報を伝えていた神経伝達物質も失われてしまい、障害された部位が担当していた認知機能が低下していくのです。
発症と進行は比較的穏やかですが、放置すれば確実に悪化し、最終的には日常生活における基本的な作業をおこなう能力さえも失われます。
 
初期には、軽度の記憶障害があらわれ、ときにはほかの思考に関する問題、例えば適切な言葉が出てこない、判断力が低下する、といったことが目立ってくる場合もあります。
病気が進行するにつれて、記憶障害はさらに悪化し、他の認知能力の変化がはっきりとしてきます。
また、徘徊、幻覚、妄想などの行動・心理症状も多くみられるようになります。
 
末期になると、認知機能は著しく障害され、会話は成り立たず、家族が誰であるかもわからなくなります。
身体機能の低下も顕著となり、誤嚥性肺炎や転倒による骨折などを起こしやすくなり、1日の大半をベッドの上で過ごすか、寝たきりになる場合があります。
「薬いらずで認知症は防げる、治せる より」
 
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脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
ビタミンB12は、シナプス形成に重要な栄養成分です。
 
また、認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質が増えるといわれています。
 
認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、タンパク合成と核酸(DNA)合成の両方に深く関わっています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
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