認知症予防にはMCI(軽度認知障害)の早期発見が不可欠

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認知症予防にはMCI(軽度認知障害)の早期発見が不可欠
 
 厚生労働省は2015年1月、認知症の患者数が2025年には700万人を超えると発表しました。これにMCIを加えると約1300万人となり、65歳以上の3人に1人が認知症または予備軍となる計算です。
 
しかし、認知症を発症する前に、このMCIを自覚して検診を受ける人が、残念ながら少ないのが現状です。
MCIは日常生活や社会活動に影響しないため、多くの場合、見落とされがちです。
 
大半の人は、少しぐらい物忘れが多くなっても「これはきっと老化現象だから、自分はまだ大丈夫」とみくびる傾向にあります。
さらに「ちょっと変も」と気づいても、事実を受け入れることができずに放置してしまい、結果的にMCIが進行し、認知症が発症してしまうケースもあります。
 
MCIのうちに気づいて対応することが、認知症を予防できるかできないかの大きな分かれ道になることを、どうか肝に銘じておいてください。
 
厚生労働省においても、「DSM-Ⅳのような従来の標準的な認知症の診断基準に示された項目を満たすような段階では、決して早期とはいえない」と指摘しています。
DSM-Ⅳというのは、アメリカ精神医学会がまとめた「精神障害の診断・統計マニュアル(第4版)」のことで、現在広く使われている診断基準のひとつですが、認知症に関していえば、MCIを選別することはできません。
 
今は、パソコンやタブレット端末を使って自分でMCI状態を判別できるMCI早期発見のツールもありますから、これらを活用して定期的にチェックすることをおすすめします。
 
そして、少しでも評価に変化があらわれたなら、すみやかに脳PET検査を受けましょう。
なぜなら脳PET検査は、正常と病気のグレーゾーンであるMCIの発見に、極めて有効だからです。
 
認知症の進行をみると、脳神経細胞の数は時間の経過とともに減少していくことがわかります。
しかしMCIの段階では、まだ脳神経細胞がかなり残っているため、この段階で適切な治療をおこなえば、MCIから認知症への移行を防ぐことは十分可能です。
認知症をいたずらに恐れるのではなく、きちんと対処することが大事です。
 
<後悔しないためには>
・予防
・早期発見
・正しい早期治療が大切!
 
<一般に、MCIの定義は、次の5項目>
1 本人または家族(介護者)による物忘れの訴えがある。
2 客観的に記憶障害がある(新しいことが覚えられない、記憶を維持できない、思い出せない)。
3 日常生活は基本的にできる。
4 全般的な認知機能は保たれている。
5 認知症ではない。
 
認知症ネット-認知機能チェック
認知症ネット-長谷川式認知症・MCIチェック
「薬いらずで認知症は防げる、治せる より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
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