「薬漬け」治療から脱するための選択肢

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「薬漬け」治療から脱するための選択肢
 
 2016年11月、アメリカの製薬会社イーライリリー・アンド・カンパニーは、開発中のアルツハイマー認知症の治療に、有意な進行抑制がなかったとする臨床結果と、薬の承認申請はおこなわないという衝撃的な発表をしました。
 
アルツハイマー病が治らないのはもちろん、治療薬の開発の失敗は、医師や研究者たちが「アミロイド仮説」を信奉しすぎていた結果です。
 
実は今、このアミロイド仮説そのものに疑問が呈されているのです。
 
例えば、アルツハイマー病の原因候補として考えられているもののひとつに、細胞を構成する一成分である「ミトコンドリア」の機能障害があります。
ミトコンドリアが健康な状態であれば、毒性が強く老化やさまざまな病気を引き起こす原因となる活性酸素を中和し、その被害を食い止めます。
 
しかし加齢などで中和の働きが衰えると、活性酸素は増加し、体内を酸化させ老化を早めたり、パーキンソン病などの難病を引き起こす原因となったりするのです。
このミトコンドリアの修復・再生には抗酸化力を発揮する珪素(けいそ)が効果的といわれています。
 
佐賀女子短大の長谷川亨教授は、アルツハイマー病の真因は「ホモシステイン酸」というアミノ酸であることを証明しました。
ホモシステイン酸はストレスと密接に関係し、ストレスによるホモシステイン酸の増加が長期化することで脳神経細胞が変性し、アルツハイマー病を引き起こすという説です。
 
 そのため、ホモシステイン酸を体内から減らすことがアルツハイマー病の根本治療につながると考えられます。
 
ホモシステイン酸を減らす方法について、長谷川教授は自身で研究された食品(栄養素)で、すでに大きな成果を挙げています。
この研究成果に基づく食事で、家庭でもホモシステイン酸に対する予防や改善が期待できます。
 
認知症の早期発見に脳PET検査がもっとも有効ですが、不幸にも認知症と診断された際、あるいはMCIと診断されたときこそ、ホモシステイン酸の抑制に効果的な食品を摂取すべきだと思っています。
 
最強の予防策はホモシステイン酸の抑制
 
 遺伝子検査などで家族性アルツハイマー病の遺伝子情報があるとわかっている人も、ホモシステイン酸を減らす食品を積極的に摂ってほしいと思います。
 
 家族性アルツハイマー病は、変異した遺伝子を持っていることで起こり、この変異した遺伝子は、子孫にも受け継がれます。
そのため家族や親族に家族性アルツハイマー病の人がいると、遺伝する確率が高くなります。
 
 家族性アルツハイマー病を早期発見するには、遺伝子診断をするのがいちばん正確な方法ですが、検査に踏み切るには相当な覚悟が必要です。
なぜなら、検査を受けて陽性と出ても、いつ発症するかわからない、何をどう予防したらいいかもわからない、というのが現状だからです。
知って恐怖を抱きながら生きていくより知らないほうがし、多くの方はそう思うのではないでしょうか。
 
 しかし予防の方法があるとしたら、話はまったく変わってきます。
 
 昨今、血液中のホモシステイン酸を測定すれば、簡単に認知症のリスクを予測できる方法が開発されています。
 
 万が一、検査でアルツハイマー病の原因因子を持っていることがわかったとしても、ホモシステイン酸を抑制すれば、発症は回避できるのです。
つまり、早めに知ることで、早めに手が打てるということです。
「薬いらずで認知症は防げる、治せる より」
 
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近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
ホモシステインとは
ホモシステイン(homocysteine)は、血中に存在するアミノ酸の一種です。
必須アミノ酸であるメチオニン代謝していく上で産生される中間代謝物で、ホモシステインからは再度メチオニンが作られたり、美白に関わるシステインや、エネルギー産生に関わるα-ケト酪酸の前駆体になる等、重要な役割を担っています。
しかし、1969年にボストンの医師が先天的に血中ホモシステイン濃度の高い患者において若年期に動脈硬化血栓性病変があることを発見して以降、多くの学者が 研究を始め、ホモシステインが心疾患等の危険因子になり得ることを明らかにしました。
文部科学省の大規模コホート研究においても、血清ホモシステイン値が高い人ほど循環器疾患による死亡率が高くなることがわかりました(基準値は3.7~13.5μmol/L ファルコバイオシステムズHPより)。
 
ホモシステイン代謝を高めるための栄養素 
ホモシステイン濃度を上げない(蓄積させない)ためには、ホモシステインから先の代謝経路へと誘導していく必要があります。
代謝の補佐役を担うのが、「葉酸ビタミンB12」「ビタミンB6」等の栄養素だと言われているため、これらの栄養素が不足するとホモシステイン値が高くなると考えられています。
 
腸内環境も大事
腸内細菌はヒトと異なり「葉酸」、「ビタミンB12」、「ビタミンB6」等のビタミンを産生することが知られています。
ビタミン含有食品の積極的な摂取も必要ですが、腸内環境を整え、細菌の力を最大限に借りることが本来のあるべき姿でしょう。
さらに、ビタミンB12は胃壁から分泌される因子(タンパク質)と結合して吸収されるので、胃や腸の機能も同時に整えることも重要です。
 
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