緑茶をよく摂る人ほど脳の働きが活発になる

イメージ 1
緑茶をよく摂る人ほど脳の働きが活発になる
 
 ホモシステイン酸に目をつけたのは、「ホモシステイン酸が神経毒を示す」という2000年の論文発表がきっかけでした。
 
かつて日本茶(緑茶)と認知症の関係を調べたことがあり、お茶の摂取量が多いほど認知機能が良いという結果を得ていました。
不思議に思い文献を調べたところ、ホモシステインというアミノ酸アルツハイマー病の危険因子だということが書かれていたので、それを調査しました。
すると、お茶を飲むとホモシスイテンの濃度が低くなることがわかったのです。
それで学会発表したのですが、ホモシステインは神経を殺さないのになぜアルツハイマー病に関係があるのか、と一笑されました。
ですから、前出のホモシステイン酸神経毒のその論文は、まさに「目からウロコ」だったのです。
 
そして、ラットの培養細胞に、ホモシステインとホモシステイン酸を投与した実験で、ホモシステイン神経細胞を殺さないが、ホモシステイン酸は神経細胞を殺すという結果を得ることができたのです。
 
さらに、アミロイドβがある場合とない場合で、ホモシステイン酸がどのくらい毒性を示すかという実験をしました。
すなわち培養細胞でアミロイドβがある状態でホモシステイン酸を投与したもの、アミロイドβの阻害剤を投与したものを比べました。
 
するとコントロールでは何の影響もありませんでしたが、ホモシステイン酸投与群では、24時間で神経細胞の生存率は75%、48時間が経過すると50%くらいまでに低下しました。
しかし阻害剤を入れると毒性がなくなりました。
 
これによって、ホモシステイン酸の毒性は、アミロイドβの有無に関係していて、アミロイドβがあると毒性が強まることがわかったのです。
 
ホモシステイン酸は、ホモシステインというアミノ酸が原料となってつくられますが、緑茶を飲む人ほど、血中ホモシステイン濃度も低いことがわかっています。
ホモシステインは、ホモシステイン酸と異なり、ほとんど毒性はありませんが、代謝されるとホモシステイン酸になるうえ、動脈硬化を引き起こすことも指摘されていますから、増えすぎるのはやはりよくありません。
 
緑茶を飲むと、なぜホモシステインが減少するのかについては、まだ詳しくわかっていませんが、緑茶に豊富に含まれているビタミンB6やビタミンB12が影響しているとも考えられます。
これらのビタミンは、ホモシステイン酸を「タンパク質を安定化させ分解しにくくする」システイン酸というアミノ酸に変えるからです。
 
 こうした緑茶の効果を期待するなら、湯飲みで1日最低4杯は飲むことをおすすめします。
2~3杯分なら、急須に茶葉大さじ2杯程度を入れ、70℃くらいのお湯を注いで、約1分待てばOKです。
 
 入浴後に緑茶を飲むのは、さらに効果的です。
なぜなら、前述したホモシステイン酸の代謝酵素は、40℃前後でもっともよく働くため、入浴で体温を上げることによって、その効果が高まると考えられるからです。
 
 より高い効果を期待するなら、緑茶そのものを食べることです。
「薬いらずで認知症は防げる、治せる より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
ホモシステインとは
ホモシステイン(homocysteine)は、血中に存在するアミノ酸の一種です。
必須アミノ酸であるメチオニン代謝していく上で産生される中間代謝物で、ホモシステインからは再度メチオニンが作られたり、美白に関わるシステインや、エネルギー産生に関わるα-ケト酪酸の前駆体になる等、重要な役割を担っています。
しかし、1969年にボストンの医師が先天的に血中ホモシステイン濃度の高い患者において若年期に動脈硬化血栓性病変があることを発見して以降、多くの学者が 研究を始め、ホモシステインが心疾患等の危険因子になり得ることを明らかにしました。
文部科学省の大規模コホート研究においても、血清ホモシステイン値が高い人ほど循環器疾患による死亡率が高くなることがわかりました(基準値は3.7~13.5μmol/L ファルコバイオシステムズHPより)。
 
ホモシステイン代謝を高めるための栄養素 
ホモシステイン濃度を上げない(蓄積させない)ためには、ホモシステインから先の代謝経路へと誘導していく必要があります。
代謝の補佐役を担うのが、「葉酸ビタミンB12」「ビタミンB6」等の栄養素だと言われているため、これらの栄養素が不足するとホモシステイン値が高くなると考えられています。
 
腸内環境も大事
腸内細菌はヒトと異なり「葉酸」、「ビタミンB12」、「ビタミンB6」等のビタミンを産生することが知られています。
ビタミン含有食品の積極的な摂取も必要ですが、腸内環境を整え、細菌の力を最大限に借りることが本来のあるべき姿でしょう。
さらに、ビタミンB12は胃壁から分泌される因子(タンパク質)と結合して吸収されるので、胃や腸の機能も同時に整えることも重要です。
 
ちょっと使える身近な情報をお届けしています!