腎臓病はアルツハイマー病の原因になる
腎臓病はアルツハイマー病の原因になる
それは、人間とマウスでは、アルツハイマー病の病理変化に違いがあるからです。
今度は、そのホモシステイン酸が、果たして人間にも関係しているかどうかを確認することにしました。
その結果、尿中ホモシステイン酸濃度と認知機能障害の程度は、統計的に有意な正相関を示していることを発見したのです。
すなわち、健常な人の場合、体内で有毒なホモシステイン酸がつくられると、それは尿中に積極的に排出されて、正常な機能を維持していることがわかりました。
これはマウスとはまったく逆の現象だったのです。
このことから、老化や喫煙、糖尿病やうつ病など、アルツハイマー病の危険因子である病気にかかると、そうでないアルツハイマー病の患者さんと比べて腎機能の低下がより強く発現し、その結果、アルツハイマー病が重症化することも理解できました。
人間のアルツハイマー病には、腎機能が関係していたのです。
カナダのあるグループが、その孤発性アルツハイマー病の発症が予想される人たちを追跡調査し、そのうち発症した人のデータを調べたところ、「アミロイドβが脳に沈着するより前に、血管性の異常が起きていた」ということを発見しました。
すなわち、「血管の中に異常な物質ができた、それが認知症を引き起こす引き金になる」ということを発表したのです。
その異常な物質のひとつにホモシステイン酸が該当していることは、いうまでもありません。
「薬いらずで認知症は防げる、治せる より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
ADは65歳以上の高齢者に多発し、遺伝とは無関係で発症します。物忘れから始まり、脳の海馬が萎縮するため新しい記憶ができなくなり判断力・思考力が低下していきます。
(中核・周辺症状が現れてから)進行すると6~8年で言葉が出なくなり、最後には寝たきりになり死に至る老人特有の疾患です。
女性は男性より多発します。
ではなぜ、加齢により認知症になるのでしょうか?
そしてその原因は、高齢化に伴い、肝臓や腎臓の機能障害により、有害物質のホモシステイン酸が腎臓でろ過されず、血液と一緒に脳内へ運ばれ、認知症の原因となるアミロイドβを誘導、脳に蓄積させるということが明らかになりました。
代謝の過程でビタミンB6が不足するような状態になると、ホモシステインからシステインへと分解する代謝の流れにトラブルができて、肝臓でホモシステインが余ってしまい、結果的に血中に流入するホモシステイン酸が上昇してしまいます。
その結果、血液を固める血小板を凝集したり、単球の吸着を進めたりして、動脈硬化を促進してしまいます。
※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!