行動の「結果」をコントロールして習慣をつくる
増やしたい行動は増やしづらく、減らしたい行動は減らしづらい。
それが人間のメカニズムというもの……。
だからといって、あきらめることはありません。
このメカニズムを利用して、増やしたい行動を増やす、減らしたい行動を減らす。
それを積み重ねる。
これが行動科学のマネジメントの習慣づくりです。
どういうことをするかといえば、単純なことです。
「ターゲット行動は取りやすいようにする」「ライバル行動を取りにくくする」という工夫をすればいいのです。
まず工夫するのは、行動の「結果」です。
人間の行動は「結果」に大きく左右されます。
ならば、行動の結果を意図的にコントロールすればいいわけです。
別の言い方をすれば、行動の「理由」や「目標」は二の次でいいということです。
「うつにならないために……」このことはもちろん大切ですが、習慣化は、そういった切実な理由よりも、「行動したらどんな結果が待っているか?」ということのほうが大事です。
「○○○という良い習慣を身につけて、うつを治そう。なりにくくしよう」
これは強調しています。
しかしあくまで習慣化の結果、「すぐ享受できる」ものではありません。
まずは具体的な行動を取り、それを積み重ねて習慣としてから得られるものです。
つまり、習慣化でフォーカスすべき「結果」とは、まず取る「具体的な行動」に対する結果ということです。
多くのビジネス書で、「目標設定さえ正しくできれば、人は物事を成し遂げることができる、高いパフォーマンスをあげることができる」といったことが語られていますが、そうは思いません。
目標とは、行動科学マネジメントのABCモデルでいうA、すなわち先行条件に当たるものです。
そして、この先行条件が人間の「行動の継続」に与える影響は、たった0~20%くらいのものだと言われているのです。
「理由」もまた、先行条件です。
つまり、どんなに正しい目標や切実な理由があったとしても、それ“だけ”では行動を継続すること……習慣化は難しい、ということです。
「どうして行動するのか?」よりも「行動したらどうなるか?」が大事。
ですから、行動の「結果」を意図的にコントロールするのです。
つまり、行動の結果を「いい結果」にかえるようにする、行動を取ったことにメリットを与えるのです。
行動科学マネジメントの「ABCモデル」
人の行動とは、次の3つの要素から成り立っています。
A 先行条件(人が行動を起こすきっかけ。行動する直前の環境)
B 行動(行為や発言)
C 結果(行動した直後の環境変化)
この一連の因果関係を行動科学マネジメントでは「ABCモデル」と呼んでいます。
たとえば「部屋が寒いからエアコンをつける」という行動を、このモデルに当てはめてみましょう。
「部屋が寒い」(A)
「エアコンのスイッチを入れる」(B)
「部屋が暖まる」(C)
となります。
※ターゲット行動=増やすべき行動
つまり自分が「したい」と思っているけれどなかなかできない行動のこと。
例えばうつ防止、あるいはダイエットのための有酸素運動などです。
「これからはジョギングを習慣にしよう」と思い立っても、なかなかできるものではないはずです。
※ライバル行動=減らすべき行動
言ってみれば「ついついやってしまう」行動のことです。
ついついネットサーフィンをして夜更かししてしまう、ついついお酒を飲みすぎてしまう、ついつい朝寝坊をしてしまう……ダイエットなどで言えば、ついついお菓子を食べてしまう、といったことです。
「「うつ」にならない習慣抜け出す習慣 より」
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新しい生活パターンへの対応、とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
ビタミンB12の働き
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