「ポジティブシンキング」にとらわれる必要はない

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「ポジティブシンキング」にとらわれる必要はない
 
うつ気分の人が新しい習慣を身につけようとするとき、“自分を変えたい”と願うとき、つい考えてしまうのが、「もっとポジティブになろう!」ということです。
 
「自分はいつもネガティブだからうつっぽいんだ。もっとポジティブにならなければ」
 
こうして自分を無理矢理「前向きな人」に変えようとしがちです。
 
しかし、ネガティブをポジティブに変えようとしても、うまくはいきません。
 
もうおわかりのように、ポジティブだとかネガティブだとかは、自分の「内面」の問題
それを何とかしようとしても、簡単にできるものではないのです。
 
「ポジティブシンキングであることが大事」と主張する本も多くあります。
しかしそもそもは、ポジティブシンキングが正しくて、ネガティブシンキングであることが間違っている……などということはないのです。
 
一生懸命内面を変えようとする……繰り返しになりますが、これは簡単ではありません。
 
だから、“行動”を変えるのです。
 
行動を変えることで自分を変える……これが行動科学マネジメントのアプローチです。
 
たとえば、自分を変えようと思い、熱心に自己啓発書を読みふける人もいるでしょう。
しかし、なかなかうまくいかない……。
 
これは、その本に書かれている内容を自分の取るべき「行動」に落とし込むことができていないからです。
 
本を読んで勉強することはとても大事だと思いますし、大きな影響を受けることもあるでしょう。
しかし、そこでまず変えるべきは、自分自身の行動です。
 
「どうしても“内面”を変えることができない」
 
それは無理もないことなのです。
落ち込む必要はありません。
 
行動が変われば、あなたは変わることができます。
 
「ちょっとずつ」で、あなたは変わる!
 
40歳を過ぎてからマラソンを始めました。
 
レーニングにあたり、最初はどのくらいの距離を走ればいいのだろうか……と検討したところ、スポーツナビゲーターの方が提案したのは「まずは2週間、週2回、30分間だけ歩く」というものでした。
 
「え、それだけでいいの?」
 
さすがに戸惑いました。
 
「42.195キロのフルマラソンを完走するためのトレーニングの第一歩が“30分歩く”?」
 
しかしこれは、行動科学マネジメントのアプローチとして、とても理にかなった提案だったのです。
 
週に2回、30分歩く。
この小さなゴールを達成したら、次は30分のうち10分だけ走る。
それが達成できたら今度は20分走る、そして30分走る、1時間走る……。
まさに「ちょっとずつ」、徐々に走る時間を増やしていき、最終的にフルマラソンの距離を走るだけの力を身につけるというわけです。
 
その「ちょっとずつ」の果てに待っていたのが、アマゾンジャングルマラソンなど数々のクレイジーな挑戦です。
まさに、小さな行動の積み重ねが自分自身を(大げさに言えば人生を)変えてしまったのです。
 
「ゆっくり歩けば遠くへ行ける」
……これは、どこかの国のことわざだそうです。
焦ったり急いではいけません。
 
 小さなゴールを達成できれば、そのつどそこに「達成感」と「自己効力感」が生まれます
 
「達成してうれしい」という気持ちと、「自分にもできるんだ」という満足感です。
 
その達成感、自己効力感が、いわば自分へのごほうび、動機付けとなります。
そして、行動を繰り返し、また次のゴールへと向かわせます。
 
“はじめの一歩”は、本当に簡単な行動でいい。
 
まずは行動を起こすことです。
うつを魔法のように治すことは、おそらくできません。
じっくりと少しずつ進んでいきましょう。
 
行動を起こし、そこに「いい結果」があれば、人は行動を積み重ね、習慣が出来上がります。
それが、人間というものなのです。
 
行動科学マネジメントの「ABCモデル」
 
人の行動とは、次の3つの要素から成り立っています。
A 先行条件(人が行動を起こすきっかけ。行動する直前の環境)
B 行動(行為や発言)
C 結果(行動した直後の環境変化)
この一連の因果関係を行動科学マネジメントでは「ABCモデル」と呼んでいます。
 
たとえば「部屋が寒いからエアコンをつける」という行動を、このモデルに当てはめてみましょう。
「部屋が寒い」(A)
「エアコンのスイッチを入れる」(B)
「部屋が暖まる」(C)
となります。
「うつ」にならない習慣抜け出す習慣 より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、ビタミンB12は、葉酸をはじめとするビタミンB群、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒に摂ることが望ましいとされています。
 
ビタミンB12の働き
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