歩けば「ごきげん脳」になる

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歩けば「ごきげん脳」になる
 
日ごろから歩いている人は、とてもいいお顔をしています。
顔をパッと見ただけで「あー、この人はよく歩いているな」「この人はあんまり歩いていないかもな」と何となく予測がつくほど。
 
なぜ顔に表れるのかと言えば、歩くことは脳内ホルモンのバランスも整えてくれ、それが顔に出るからです。
 
歩くと、脳内では「セロトニン」というホルモンが分泌されます。
このセロトニン、「幸せホルモン」と呼ばれることからもわかるように、心身の安定や心の安らぎにかかわっている大切なホルモンです。
 
歩くと気分が晴れやかになる、悩み事があっても少し歩けば頭がスッキリする――。
 
そんな経験、ありませんか?
それは、幸せホルモンが働いている証です。
 
いま、うつ病人口が増えています。
一年以内にうつ病にかかった人の割合は1~2%にも上るそうです。
1~2%ということは100人に1人か50人に1人は1年以内にうつ病を経験しているということ。
外来にも、うつ病の人が、だいたい日が暮れて暗くなってからですが、来られます。
 
うつ病になると、脳内のセロトニンノルアドレナリンが不足するといわれています。
だからこそ、これらを増やす作用のある薬が処方されるわけです。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)SNRI(セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害剤)を処方してそれなりに元気になった患者さんたちも診てきましたが、なるべくなら薬を使わずに、あるいは最小限に留めようと心しています。
 
なぜなら、薬である以上、副作用はつきものですし、抗うつ薬などの精神病薬は依存性があり、長く使っているうちに薬がないと不安になったり、効かなくなったりするからです。
「薬があれば落ち着く」という状態は、治ったとは言えません。
 
うつ病の患者さんにおすすめしているのも、歩くことです。
歩くことでセロトニンは増える。
 
とは言っても、うつ病の人は「歩く気力なんか出ません」とおっしゃいます。
だから、歩き出すために少しの期間、薬を使うことも必要でしょう。
 
毎日歩くことはうつ病の予防にもなります。
 
生活しているうちにその人なりの生活パターンができるように、思考にも「ついマイナス思考に陥ってしまう」「つい完璧をめざしてしまう」といった癖ができるもの。
そうした思考の癖はなかなか変われないと思われがちですが、変えるいちばん手っ取り早くて効果的な方法が歩くことです。
 
日ごろから歩いている人は、脳内で幸せホルモンのセロトニンが増え、自然な“ごきげん脳になります。
“ごきげん脳”でいたほうが人生は絶対にお得で楽しくなります。
「90歳まで元気で生きる人の7つの習慣 より」
 
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新しい生活パターンへの対応、とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
 
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、ビタミンB12は、葉酸をはじめとするビタミンB群、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒に摂ることが望ましいとされています。
 
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