若い女性はストレスに弱い!?

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若い女性はストレスに弱い!?
 
研究を行ったのはヴィオラ・バッカリノ教授。
イタリア出身の女性研究者です。
彼女がこの研究を始めたのは、心臓病の診断や治療を受けている女性が男性より少ないため、女性の心臓の研究があまりなされていないからでした。
 
リサーチを進めていくうちに、女性のうつ病やストレスは、心臓病との関係が深いのではないかと考え始めたといいます。
 
研究チームが過去に心臓発作を起こした経験を持つ94人に、ストレスを加える実験を実施したところ、性別と年齢で結果に大きな違いが出ました。
 
50歳以下と51歳以上に年齢を区切って、ストレスを受けたときに心臓を流れる血液の量を比較すると、年齢が上がるにつれて血液の減少量が大きかった男性に対し、女性はこれと反対の結果が出たのです。
 
バッカリノ氏が言います。
 
「50歳以下を見てみると、女性の方が男性に比べて、ストレスの影響を受けやすいことが分かりました。特に複数のストレスを受けた場合、女性の方が心臓病のリスクが高いのです」
 
バッカリノ氏は心臓病になった女性についても詳しい調査をしていますが、それによると、動脈硬化があまり進んでいなかったケースが多く、元々は多くの心臓病の男性よりも健康な心臓を持っているように見えたといいます。
ところが、死亡率は女性の方が高いという結果が出ました。
若い女性は一般的に抱えるストレスの数が多く、しかも、その影響を受けやすいからではないかと、バッカリノ氏は考えています。
 
「時勢は、普段の生活の中でもたくさんストレスを抱えています。子育てや親の世話をしながら、さらに仕事をするというように、心理的なストレスが非常に多いことが報告されています。そうした困難な状況が重なると、ストレスが蓄積していきます。その結果、心臓の血流が異常になっているのです。
蓄積したストレスは、警告なしに心臓発作を引き起こし、心不全を招きます。このとき、ストレス反応の暴走が起こり、体は破綻してしまうのです」
 
まさに、キラーストレスの仕業としか言いようがないでしょう。
 
ただし、この研究結果が示しているのは、50歳以下の男性が心理的なストレスの影響を受けないということではなく、男女を比較したときに、より女性の方が影響が大きいということです。
 
ストレスと心臓の関連を研究しているバッカリノ氏は、心と体に対する考え方を大きく改めるべきだと言います。
 
「これまでは、『身体的な健康』と『精神的な健康』は別々に研究されてきましたが、その考え方を変え、身体と精神のシステムは、強く結ばれており、互いに影響し合っていると考えています。心と体をまとめて、ひとつのものとして考えなければいけません。ストレスは全身に影響を及ぼすのです」
 
 心と体は一体。
「病は気から」という言葉が間違いではなかったことが、科学によって次々と証明されているのです。
 
 心の疲労体の不調へ、体の疲労は心の不調へと相互に影響を与え、それはやがてキラーストレスとなって私たちに襲いかかってくるのです。
「キラーストレス 心と体をどう守るか より」
 
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根本的な老化とは「血管が衰えること」です。
わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。
動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
 
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
 
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