コーピングと「認知行動療法」
自分のストレスを観察し、それに見合った対策を行うというコーピング。
一見安易な方法に見えるかもしれないが、実は、そのバックグラウンドにはしっかりとした理論と実践の積み重ねがあります。
例えばこういうことです。
ちょっと散らかった部屋でも、「仕事場は完璧に整頓すべき」考える人にとっては、「この汚い部屋は絶対許せん!」と認知され、ストレスの元になります。
血圧が上がるなどの身体反応へと連鎖していきます。
元をたどればこのストレス反応の連鎖は、「完璧に整頓すべき」という認知の「癖」から発しています。
こういったタイプの癖があると、何につけても「○○すべき」と思ってしまい、ストレスを抱えがちになります。
こうした認知の癖は、ほかにも「他人は信用できない」「どうせ嫌われる」など、無数にあります。
そんな「悪い癖」のせいで、気分や行動、身体反応が連鎖して、しまいにはネガティブな認知につながるという悪循環を引き起こします。
そして気分はさらに悪化し続ける。
この悪循環を断ち切るにはどうすればいいのでしょう。
まずは自分を客観的に観察し、どんな認知の癖を持つのかを自覚することがカギとなります。
これは簡単なことではないので、専門家の力を借りて、自分の癖を認識する必要があることも多いのです。
そして、ストレスを感じたとき、認知の癖がもたらす連鎖反応を起こさないようになんらかの対策を講じることで、ストレスに支配されることを止める。
それが認知行動療法の基本です。
ストレスを感じている自分の状態を客観視し、自分に合った対策を講じるコーピングは、認知行動療法そのものなのです。
このような自分の「認知と気分」に注目する方法のほかにも、自分の「行動と気分」の関係に注目して、ストレスを減らしていく方法も同時に幅広く使われています。
「キラーストレス 心と体をどう守るか より」
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新しい生活パターンへの対応、とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
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