マインドフルネスを行うと脳の中で何が起こるのか
マインドフルネスをめぐる脳科学は、近年きわめて活発な研究領域となっています。
瞑想という脳内現象の正体はどういうものなのか。
なぜストレス対策に効果があるのか。
そのような疑問を明らかにするために、多くの科学者が脳を観察し、現象の解明に挑んでいます。
最近、説得力のある仮説を発表したカーネギーメロン大学のデイビット・クレスウェル准教授が、実験を通じて組み立てたその仮説は、「マインドフルネスの正体とは何か」を説明する理論として、注目を集めています。
クレスウェル氏は、マインドフルネスを三日間行うグループと、行わなかったグループを作り、これ以外の条件が変わらないように実験を慎重に行い、二週間後に双方の脳を比較しました。
マインドフルネスを行わなかった人は、dlPFCの活動が若干落ちたが、行った人を見てみると、その働きが大きく向上していたのです。
さらに調査を進めると、マインドフルネスを行った人は、dlPFCと、脳内の複数の部位を結んだ連合体「デフォルトモードネットワーク」とが同期していて、活発に働いている様子が見られました。
このデフォルトモードネットワークは、脳のほかの部分が積極的な活動を「行わない」ときに活発に働くという不思議な性質を持っていて、この状態放っておくと、過去や未来に意識が向くマインド・ワンダリングが起きやすいことが分かっています。
それが意識の中枢であるdlPFCと同期しているということは、デフォルトモードネットワークや、マインド・ワンダリングの状態が、dlPFCにきちんとコントロールされている証拠だと考えられます。
一方、行わなかった人には、dlPFCとデフォルトモードネットワークの同期は見られませんでした。
デフォルトモードネットワークが暴走しても放置されている状態です。
これらの実験結果を、クレスウェル氏は次のように解説します。
dlPFCの活動が大きく向上することで、デフォルトモードネットワークがうまくコントロールされ、その過剰な活動が抑えられます。
結果、マインド・ワンダリングが抑制され、ストレスが減少します。
瞑想の上達者ほど雑念がわかなくなり、ストレスに強くなる。
そんなマインドフルネスの経験者の実感を、脳科学的にうまく説明した仮説だと評価されています。
しかし、このクレスウェル氏が実験から導いたマインドフルネスの理解と、この説明はどう関係するのでしょうか。
海馬はデフォルトモートネットワークを構成するひとつの要素であり、dlPFCは、前頭前野の一部である。
だから、脳で起きているひとつの現象を、異なった角度から説明しているに過ぎないのかもしれません。
いずれにしろ、マインドフルネスの最中は、脳のさまざまな部分が普段とは異なる働き方をしており、それが多くの場合、脳に良い変化をもたらしていることは、揺らぐことのない定説となっているのです。
「キラーストレス 心と体をどう守るか より」
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
物忘れに関して脳の機能を活性化する重要な栄養素がビタミンB12です。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞は2度と再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
ビタミンB12は、アセチルコリンを活性化して神経伝達をスムーズに行う働きをもっています。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
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