生きがい・学習のホルモン

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生きがい・学習のホルモン
あなたの脳の中で活躍するホルモン
 
現代社会ではさまざまなエンターテイメントがあり、外界からの刺激で毎日を楽しく過ごすことができます。
 
一方で、私たちの体のメカニズムも想像以上にドラマティックかつ神秘的で、体のメカニズムを知ることによって、内側から自分を活性化して、より快適に、楽しく過ごすことができます。
 
最近の目覚ましい医学の進歩は、そのような観点からも、私たちの体の神秘をどんどん解明しています。
ホルモンという切り口からその神秘を探っていきます。
 
まずは、普段の生活を彩り、仕事や身の回りのことを楽しく、効率的にこなしていくために、ドーパミンやアドレナリンというホルモンに注目してみましょう。
 
この二つは「快楽ホルモン」と名づけるとちょうどいい感じです。
 
ドーパミンと、アドレナリン、それにノルアドレナリン、この三つを「カテコールアミン」と総称します。
生み出される順番としては、まずドーパミンができ、ノルアドレナリンができ、最後にアドレナリンができる、そういう流れです。
 
じつは60年ほど前の医学界では、これらのホルモンはあまり作用がない、前物質的な位置づけでした。
存在は確認されていましたが、ホルモン・バランス上、あまり役割はないだろうと考えられていたのです。
 
しかし1960年代に入り、脳内にドーパミンが意外に多く含まれていることがわかりました。
とくに、大脳基底核(扁桃体の一部)にたくさんあることがわかったことで、脳の中で「ある特有の作用」があるのではと想定され、世界中で研究が進められました。
 
楽しい経験、あるいは嬉しい体験には、快楽ホルモンであるドーパミンが関係しています。
ドーパミンはその潜在能力から「脳内麻薬」とも称されます。
ハーバード大学の動物研究でも、ドーパミンが出ない状況にするとそれ以前に好んでいたことをやめてしまうことが確認されています。
 
それ以外にも、ドーパミンは重大な病気と関係があるホルモンであることがわかりました。
 
うつ病、あるいはパーキンソン病などです。
 
パーキンソン病はわかりやすく言えば、体が固まる、動かなくなる、震える、そういう症状の病気です。
パーキンソン病は、大脳基底核を構成する黒質緻密部という場所にあるドーパミンニューロン(神経細胞)がやられてしまうことが原因です。
 
その結果、ドーパミンの放出量が減り、ドーパミンが減ることで体が固まってしまうわけです。
ドーパミンは老化に伴い、運動・動作に関わる影響を大きくしている物質であるということがわかっています。
 
何かを意識的に行う、あるいは意識的に行わないにせよ、すべての行動の背景にはモチベーション(動機)があります。
ドーパミンは、その動機に関連して活動をするホルモンです。
私たちが動けばドーパミンが増えますので、さらに動きたいと感じますが、動かないとドーパミンが減りますので、さらに動かなくなります。
 
何らかの行動を起こすような場合、必ずドーパミンニューロンが活動します。
私たちは日常生活の中で、自分が暮らしている環境に適応、つまり学習を繰り返しながら、地球上で生きるコツを学び取っています。
 
ドーパミンはその学習のための強化因子、強化ファクターです。
 
だからドーパミンは、さまざまな学習、つまり「何かやったら何かを得られる」という、言ってみれば報酬の仕組みを自分の中で学習すると、着実に増やすことができます。
ドーパミンは「報酬系ホルモン」でもあるのです。
「ホルモンを活かせば、一生老化しない より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
 
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
 
ビタミンB12について?
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