朝食抜きが太ることへとつながる
精神的、肉体的なストレスが食欲不振の原因になることもあります。
ストレスを受けている状態は、まさに交感神経が刺激された状態です。
ストレスだけではありません。
生活習慣の乱れ、例えば睡眠不足が続くとか、運動不足が続くとか、自律神経全体のバランスを崩すと胃腸系のシステムも低下しますから、それ自体がシグナルとして食欲低下のサインを出すこともあります。
食事の規則性やその中身も重要です。
朝食べない、昼はカップめんとかコンビニ弁当、夜は友だちや同僚と飲みに行って締めにラーメン、このような食事スタイルは、はっきり言えば最悪です。
まず、朝食がとれていないことが問題です。
朝食をとらないと体がエネルギーを使わない方向に転換します。
つまり、長い睡眠時間の後に食べ物が入ってこないことで、体がエネルギーをセーブして溜め込む方向に働き、それとともに脂肪を溜め込みやすくなってしまうのです。
すると、自然に夜の食事の比重がどんどん大きくなり、さらにその分が脂肪に変わりますから、ますます朝食を食べようと思わなくなります。
こうして悪循環に陥ります。
それはまるで、動物が食べ物を体内に溜め込んで冬眠に備えるようなモードです。
では昼食を抜いて二食の場合はどうなのかと言えば、朝食を抜くよりはましです。
ただし、空腹の時間が長くなります。
空腹が長時間続いた後の食事は、時計遺伝子、つまり体内時計がお腹からリセットされてしまいます。
これによって体内リズムが崩れやすくなり、睡眠不足が起きたり、睡眠の質が下がったりと、あまりよくないことが頻発します。
また、空腹時間が長すぎると、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増加し、これも体に悪影響をおよぼします。
食事に関しては「カロリー・リストリクション」を提案します。
カロリー・リストリクションというのは、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの五大栄養素を十分に網羅しながら、全体の摂取カロリーを必要カロリーの70%程度に抑えるというものです。
ハーバード大学などの研究で、この方法によって長寿遺伝子のスイッチが入ることが判明しています。
だからぜひ、この食事法を取り入れていただきたいのです。
長寿遺伝子は、MIT(マサチューセッツ工科大学)のレエナルド・ガレンテ教授が発見した遺伝子です。
長寿遺伝子は寿命に関連する遺伝子であり、簡単に言うと、長寿遺伝子がオンになるとこで、細胞内のリボゾームRNAを一定に保ったり、テロメア(遺伝子の末端部分にある寿命の回数券)を保護することによって寿命を延ばすことがわかってきています。
これによって「老ける速度を遅らせる」ことが可能となるわけです。
カロリー・リストリクションはまだ研究段階のことも多くありますが、基本的に全身の細胞に負担をかけない食事法と言えます。
外食が続き、カロリー過多になった時には、カロリー・リストリクションを取り入れてみるのもいいかもしれません。
「ホルモンを活かせば、一生老化しない より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
ビタミンB群が不足するとエネルギーを生み出すことができず、疲れがなかなか回復しなくなったり、細胞の修復機能がダウンして、肌荒れや口内炎が治りにくくなったりするのです。
なかでも注目が、ビタミンB12です。
古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造を持っています。
脳はタンパク質とともに脂肪成分を多く含む器官です。
そのためビタミンB12は血液脳関門を通過できるという特徴を持った貴重な栄養素なのです。
ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
現在、ビタミンB12は神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調はもちろん、中枢神経の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
ビタミンB12の働きとしては、成長を促進し、子供の食欲を増進させる、エネルギーを増大させる、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるようにする、集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、などが挙げられます。
また、神経細胞内の表面の脂質膜の合成にも関与しており、末梢神経の傷の回復にも効果があり、実際、腰痛などの治療にも採用されています。
腰痛や肩こり、手足のしびれに悩まされている人にもおすすめです。
ビタミンB12について?
※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!