脳を萎縮させる元凶「ストレス」はため込んではダメ

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脳を萎縮させる元凶「ストレス」はため込んではダメ
 
脳に悪いとされているものにはいくつかあります。
その中でもとくに脳の健康に大敵なのが心身の「ストレス」です。
健康に気をつける人は、運動、食事、睡眠などにはかなり気を遣いますが、案外、「ストレス」については後回しになりがちではないでしょうか。
しかし、「ストレス」については研究が進み、今後、これの悪影響についてはどんどんいわれるようになっていくでしょう。
ストレスがいかに脳に影響するかは、すでに多くの研究で証明されていますが、現代は「ストレス社会」といわれるほど、多くの人が何かしらのストレスに日々さらされています。
人間関係のストレス、仕事に関するストレス、経済的なことや将来への不安からくるストレスなど、いまは脳の健康を脅かす要因に事欠きません。
人との関係に悩んで夜も眠れない、仕事のことを考えるだけで気持ちが重く沈んでしまう、そのような状態が続いているときは、物事を考えられなくなったり、記憶力が落ちたり、何かを思い出そうにもなかなか思い出せなくなっていきます。
それは海馬がダメージを受けはじめている証拠かもしれません。
 ストレスがあると、人間は体の中でコルチコイドという物質を分泌して血糖値を高め、ストレスに対抗しようとします。
これは緊急事態に適応するための不可欠な仕組みなのですが、ストレスが続いてコルチコイドが大量に分泌されすぎると、脳の海馬は萎縮していってしまいます。
 またストレスは海馬だけでなく、高次機能を司る「前頭前野」にも影響をおよぼし、機能の低下を招くともいわれています。
その他ストレス過多はうつ病のリスクを高めてしまいますが、うつ病があると認知症を発症しやすくなることも、いろいろな研究で報告されています。
 
 その中でも、たとえば自然災害や戦争、テロ事件、大地震は、人に強いストレスを与えます。
 その体験がトラウマとなって、PTSD(心的外傷後ストレス障害)という症状を起こしている方もたくさんいます。
 PTSDでは、不安感や恐怖感を常に感じ、恐ろしかったシーンを何度も頭の中で繰り返し思い出してしまう「フラッシュバック」にさいなまれます。
ですから、とても強いストレスにさらされ続けている状態です。
 このような状態が、海馬の萎縮はもとより、感情とも関係する、脳の「帯状回」をも萎縮させてしまうことは、戦争帰還兵や被災者の方たちの脳の変化から、すでに明らかにされているのです。
 またストレスによって海馬が萎縮すると認知症のリスクも高まり、PTSDがあると5~10年後に認知症になるリスクが2倍以上に上がるとも指摘されています。
 PTSDは、災害や事件だけでなく、交通事故に遭ったり、大切な人を亡くしたり、恐怖や喪失体験、抜け出せないほどの大きな悲嘆を味わったりしたときにも起こります。
心の傷を癒やすことはそうそう簡単ではないかもしれません。
 
トラウマや悲しみの後の精神的成長とは何か?
 
 それでも、ストレスやトラウマを通して、年月が経つ中で、「PTG(心的外傷後の成長)」と呼ばれる、心理的成長につながることがあります。
 PTG研究の第一人者であるノースカロライナ大学のリチャード・テデスキ博士は、逆境や困難を経験した後、「人とのより深く、意味のある関係」、「人生への感謝」、「新たな可能性が出てくる」、「人間としての自己の強さ」など、5つの点で成長していく人もまた多いとしています。
 こうしたポジティブな気持ちをもてるようになることは、傷ついてしまった脳の回復を後押ししてくれるでしょう。
 
 PTSDまではいかなくても、脳のためにもストレスはなるべくため込まないことが大事です。
 また、脳によい、といわれている行動でも、ストレスをためながら嫌々行うのでは意味がありません。
 もしも息が詰まったり、不安を感じていたりしているときは、楽しいと思えるもので気分をリフレッシュする時間を意識的にもってみてください。
 クヨクヨ考え込んでしまいがちな人や先回りして取り越し苦労をしてしまう人は、マイナス思考に陥りそうになったときに、気持ちを切り替えられる趣味をもつようにするのもオススメです。
 今の世の中、ある程度のストレスは必ず存在します。
 だから、ストレスに正面からぶつからずに、うまく回避するのです。
 脳がストレスにさらされる時間や場所をできるだけ短くしていくことで、脳を守りましょう。
 また、話が少し脇道にそれますが、たとえば、親御さんの忘れ物が激しいなと思っても、「前もいったじゃない!」と厳しくいったりしてはいけません。
 指摘したからといって改善することはなく、それどころかストレスで物忘れがますます悪化する可能性があります。
「らくらく認知症予防法 生涯健康脳になるコツを教えます! より」
 
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脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
 
物忘れに関して脳の機能を活性化する重要な栄養素がビタミンB12です。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞2度と再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
 
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
ビタミンB12は、アセチルコリンを活性化して神経伝達をスムーズに行う働きをもっています。
アルツハイマー認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
老人の認知症3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
ビタミンB12について?
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